各話あらすじ

第 72 話 『あふれる食運!巡礼グルメ神社!』

2012/09/09 放送

脚本:田口智子  演出:志水淳児  作画:石井ゆみこ  美術:今野慎一 

どこまでも続く、ながーい階段を上っていくトリコと小松。やがて辿り着いたのは、大きな大きな大鳥居。二人は今、美食神アカシアを祭っているグルメ神社へとやって来ているのだ。グルメ神社とは、グルメ祈願や食厄払いに、全世界から年間90億もの人々が参拝に訪れる巨大神社である。このグルメ時代において、食運を上げることは成功の秘訣。食に関わる者はもちろん、政財界の重鎮もこぞって参拝に訪れるという。その境内の敷地は広大で、歩いて回る場合には数ヶ月もかかってしまうほど。大勢の人々で賑わうさまは、お祭りさながらであった。
そしてお祭り騒ぎと言えば屋台は付き物。参道には沢山の屋台が軒を連ねており、その味とラインナップにはトリコと小松も大満足であった。それもそのはず、グルメ神社には、毎月抽選で選ばれる777店しか屋台が出せないのだ。味はもちろん、強い食運がなければ出店することさえ出来ないというわけだ。さて、食べ歩きにも一段落ついて、トリコらのお参りもいよいよ本番へ。タクシーのような羊・タクシープを使って、アカシアのフルコースを祭ってある七つの社…、食殿を一つずつお参りしていく。そしていよいよ、二人はアカシアの像があるというグルメ神社の本殿へと辿り着いたのだった。
本殿に着くなり、その大きさ・存在感に圧倒されるトリコと小松。何より、アカシアの像から発せられる強い食運は、あまり神や運というものを気にしていないトリコでさえ自然と手を合わせてしまう程であった。そうしてお参りを終えると、外では年に一度の大イベント、食男選びが開催されていた。巨大なまな板に刺さった包丁を抜くだけの簡単な催しだが、実はこの包丁、力任せでは決して抜けることがない。木目や気温などの影響もあって、食運が優れていなければ動かすことさえできないのだ。トリコに促されて、小松も包丁抜きにいざ挑戦! すると包丁は難なく抜け、小松は見事、食男として認定されるのだった。
そして、祭はこれだけでは終わらない。食男選びの行事はもう一つ、金色のグル樹の種探しが残っている! …のだが、その種は既にトリコの手の中にあった。先ほど屋台で食べた物のうちにグル樹の実があったのだが、その中に金色の種が入っていたのだ。二人の食男の誕生に場内喝采、トリコと小松は手に入れた賞品を人々にお裾分けするのだった。このグルメ時代において食運は何より大切なものだ。だから人々は自分のために、必死で御利益にあやかろうとする。しかしトリコたちは、その食運を惜しみなく周囲に分け与えた。二人の素晴らしい振る舞いに、アカシアの像はいつになく嬉しそうに微笑んで見えたのだった。

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