各話あらすじ

第 52 話 『衝撃! 折れた包丁と研ぎ師メルク!』

2012/04/15 放送

脚本:村山 功  演出:小村敏明  作画:爲我井克美  美術:野村正信 

自らの実力を試すため、単身グルメ界へ挑んだトリコ。しかしその余りに過酷な環境にピンチへ陥ってしまう。その危機を助けたのは、小松から依頼を受けたノッキングマスター・次郎だった。パートナーの大切さを教えられ、人間界へと戻るトリコ。帰還したトリコの無事を祝って、小松は沢山の料理を振る舞い、グルメ界の食材はどのような味だったかを尋ねる。だがトリコは何も食べていなかった。パートナーである小松を置いて、抜けがけするわけにはいかないと思ったのだ。ましてやトリコ一人では何もできなかったのだから。グルメ界のメシは、二人で力を合わせて一緒に食べよう。そう言ってトリコは笑うのだった。
トリコの想いを聞いて、更に料理へ熱が入る小松。だが次の瞬間、小松の包丁が折れてしまった。それは小松が修業時代から使ってきた愛用の包丁だった。嘆く小松を見て、トリコはふと思い出す。師である一龍から渡された食材リストの中にあった"メルクの星屑"という名前を。これはトリコも知らない食材だったが、メルクという名前には覚えがあった。メルクは、料理人の憧れであるメルク包丁の研ぎ師として有名なのだ。彼ならメルクの星屑についての情報を知っているかもしれない。星屑を探しがてら、メルクに新しい包丁を作ってもらおう。トリコの提案に、一も二もなく賛成する小松であった。
標高四千メートルの殺風景な岩山・メルクマウンテンへとやって来たトリコと小松。そこには、一段一段が大人の背丈ほどもある巨大な階段が切り出されていた。メルクの工房はこの二万段の先にあるのだ。実は、メルクが手がけた包丁は有名だが、メルク本人の姿は世に全く知られていなかった。メルクは人前に全く現れず、依頼を受けるのも手紙でのみ。噂では、研いだ包丁の切れ味を試すために大型猛獣を倒してしまうような豪快な大男だという。人嫌いとも言われているが、小松の包丁のことも、メルクの星屑のことも、とにかく話を聞いてみなければ始まらない。メルクに会うため、トリコらは大階段をひたすら上っていくのだった。
丸一日かけて階段を上り、山に生息する猛獣たちの攻撃をかわしつつ、ようやく二人は山頂までやって来た。そして工場(こうば)に辿り着いた瞬間、トリコは鋭い切れ味の闘気を感じ取る。メルクが仕事中なのか? しかし、それがもしトリコらへ向けられたものだとしたら。トリコは不用意に近づこうとする小松を止める。そこへ猛獣・スケイルコングが現れた。迎え撃つべく身構えるトリコ。だがその時、突然の斬撃が猛獣を追い返した。そして一人の美しい青年が姿を見せる。先ほどの闘気は、彼がスケイルコングへ向けたものだったのだ。メルクの弟子かと問うトリコに、青年は答える。オレが研ぎ師メルクだと…!

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