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Visiting Production 会社訪問

【第38回/2020年8月号】コアフレーム株式会社

2020年夏、リモートワークがビジネスに広がりはじめた。この環境の変化の中、「コアフレーム株式会社」の野澤一弥さんにインタビューをお願いした。そして今回、初挑戦としてWright Flyer Live Entertainment(WFLE)の「REALITY」アプリを使用し、アバターによるインタビューを行うことにした。
「REALITY」は、バーチャルライブ配信アプリであるが、このアプリを使うことにより、オリジナルのアバターでビデオ会議に参加することが可能であるとのこと。早速取り組んでみた。自分のオリジナルのアバターを作成するところからお願いし、岡村美里はMacから、富田しおりはWindowsから接続し、取材を始めた。

コアフレームの事業内容(WEB制作など)と、ランプシェードの商品開発

岡村美里(以降岡村):今日はアバターで取材をさせてもらいたいと思います。先ほど初めて作ってみたのですが、着せ替え人形のように顔のパーツや服まで選択することにより、かわいいキャラクターを作ることができました。今私は、iPadに向かって話しているのですが、私の動きに合わせてアバターが動き、喋っています!すごいですね!

富田しおり(以降富田):私はこの「REALITY」というアプリは知っていましたが、こうしてビデオ会議で使えることは知りませんでした。なんか不思議な感じです、、

岡村:さて今回はこのような姿で、「コアフレーム株式会社」の野澤一弥さんにお話しを伺いたいと思います。よろしくお願いします!

野澤一弥(以降野澤):よろしくお願いします。

富田:最初に私から質問させていただきますが、コアフレームさんはどうのようなお仕事をされているのでしょうか?

野澤:主業務はホームページの制作になります。そして、映画やTVドラマにおけるパソコン画面の映像制作もしています。またその他の事業として、ランプシェードなどの商品の開発もしています。
企画・デザイン・販売を弊社で行い、製造を職人さんの企業さんとコラボレーションして展開しています。こちらが商品です。
https://coreframe.co.jp/haori/

富田:かわいい!

岡村:綺麗ですね!

野澤:銅で作ったランプシェードです。これが第1弾の商品です。現在第2弾、第3弾の商品を開発していまして、その先に別の企業さんと別の商品開発も計画しています。ある程度商品が揃ったところでECサイトによる事業を考えています。

岡村:京都支社がありますが、そういった伝統的な商品開発のための支社なのですか?

野澤:弊社が現在7年目ですが、設立の頃からいろいろな都市から誘致のお誘いを頂いていました。そしてニーズとして東京でなく地元で働きたい人も増えてきたこともあり、WEBサイトの制作は東京でなくても可能なので、やってみようかなと思いました。そこで誘致と働きたい人が集まりそうな場所としてマッチしたのが京都だったという形です。現在京都を立ち上げて3年目となりました。

富田:京都支社では京都のクライアントさんのお仕事をされているのですか?

野澤:東京の仕事を京都でもしています。京都や滋賀から依頼された案件でも東京と京都で一緒に作業していまして、東京と京都で仕事内容が変わるということはないです。

富田:それでは京都だからというわけでもなく、どうしてランプシェードに取り組んだのでしょうか?

野澤:今回コラボレーションしたのが、高中板金工業さんという、建築板金屋さんです。屋根の修理や神社仏閣の銅板加工をしています。元々知り合いであったのですが、Facebookを見ていたら銅で製造したサッカーボールや如雨露などの工芸品があったので、ものづくりを一緒にやりませんか?と声をかけさせていただいたのがきっかけでした。それで銅でできるものは何?と考え、銅を丸めることでできるものとしてランプシェードならいけるのではないかと思ったのです。それで、丸めるということで、着物を羽織るようなイメージでデザインをしました。

富田:綺麗なデザインですね。

野澤:ただ、企画からモックアップを作るまでは数時間でできたのですが、そこから銅で試作品が出来上がるまでに1年半かかりました。

岡村:試行錯誤に時間がかかるものなんですね。

野澤:お互い、初めての取り組みだったこともあり、じっくり時間をかけて取り組みました。

岡村:先ほど伺ったモニター映像制作というのは、どういったお仕事なのでしょうか?

野澤:映画やTVドラマを見ていても、記憶に残らないと思うのですが、作品の中に出てくる、パソコン画面の中の絵の制作です。作品にとって必要な情報ですが、当たり障りがないものになります。

岡村:当たり障りがないものは、癖があるものを作るより難しくないですか?制作にあたり気をつけていることは何でしょうか?

野澤:先ずは時代設定です。その時代のパソコンのOSの特徴もあるので、その時代に合ったものにしていくことが重要です。また、例えば映画『前田建設ファンタジー営業部』(監督:英勉、2020年1月公開)では、アニメ、漫画、ゲームの建造物を受注したらどのような技術でどう建設するか、工期と工費をシミュレーションする物語です。実際に2003年に行われた話なので、その当時のPCや、ホームページはどうだったか、再現するのに苦労しました。

WEBの仕事だからといってコロナ禍で影響がないわけでなかった

富田:学校がリモート授業で、対面授業に戻りたいと思ってしまうのですが、リモートワークはどのような状況でしょうか?

野澤:なかなか扱っている案件のセキュリティの問題で難しいのではないかと感じていたのですが、いろいろ調べていくとその問題はクリアできたので、みんな一斉にリモートワークをしようとやってみました。そしたら意外となんとかなるものだと感じました。100%リモートワークの時もありましたが、今はローテーション組んで、出社する人とリモートワークする人とに分けています。

岡村:WEB関係の仕事は時勢や働き方にとらわれないで柔軟に対応可能というイメージがあるのですが、やはり対応が早いですね。

野澤:ただ、イベントやセミナーの告知サイトのお仕事も多く頂いていましたので、このコロナ禍で中止となったことにより、影響は受けましたね。音楽フェスの仕事もあったのですが中止になっているのはとても残念です。こういった業態は影響がないかと思っていたのですが、売上は減ってる感じですね。
逆に新たな仕事として、こういった状況ですので、ホームページのリニューアルをしようと考えている方々がおられるようで、そういった新規案件が入ってもきています。こういった時期ですので立ち止まってじっくり考えているのではないでしょうか。変わったところでは、神社のホームページの制作がありました。

岡村:先ほどのパソコン画面の制作ではないですが、ホームページのデザインも時代性があるように思います。

野澤:全国各地から依頼があり、私たちはITの対応は可能なのですが、先方がビデオ会議の対応が難しかったり、パソコンでもカメラがない場合があるので、こちらの顔は見れるのですが、先方は声だけだったりとか、いろいろこの時期はありました。

岡村:ホームページを作るときは、資料とか素材とかを元にオフィスで全部一からデザインを構築していくのですか? それともクライアントの現地に行かれるのですか?

野澤:可能な限り行きます。そこがどんな雰囲気か、空気感を感じて作りたいですし、直接お話しさせていただくことでアイデアを得ることがあります。先方の事業を学ぶという意味でも大切にしています。

採用について、ポートフォリを読み解く

岡村:新人さんの採用はどのようにされているのでしょうか?

野澤:最低限、ホームページ制作の知識があるかどうか。HTMLを知っていることですね。そしてデザインもある程度勉強している方を選考しています。
次に、その人のキャラクター性とどれくらい出来そうかということでしょうか。特にコミュニケーションが出来そうかどうかという点は重視しています。最初の選考として、ポートフォリオと履歴書を見させていただきます。次に面接させてもらい、弊社と合いそうでしたら採用させていただいています。

岡村:御社のサイトのブログにあるデザイナーの坂元愛穂さんのインタビューを拝見させてもらいました。絵巻物をポートフォリオに出したというエピソードがありますが、他社では採用がなかった中、御社から採用頂いたそうですが。

野澤:その絵巻物が、本当に長かったんです。広げると二部屋分くらいの長さがあったんですね。驚きつつ、何かやってくれるんじゃないかという期待を感じました。ポートフォリオは学校で勉強していると思うのですが、ある程度決まったフォーマットで来ることが多いんですね。なので、その中での差別化の判断もしやすいのですが、それを飛び抜けていました。

岡村:技術力とかデザイン力だけでない、個性やその方の裏の自信とか力をポートフォリオで読み取っているんですね。

新規事業展開としての飲食業?

富田:坂元さんと同じインタビューの1回目のブログに野澤さんのインタビューがありますが、そこでちょっと気になったことがありまして、、ホームページ制作やものづくりと興味深いお話しだったのですが、さらに飲食事業にも展開していきたいということを語られていますが、どのようなレストランを検討されているのですか?そして何故なのでしょうか?

野澤:話すと長いのですが、最初お蕎麦屋さんを考えてたんですね。高校の同級生と久しぶりに再会した時に、40代で脱サラして専門学校に通っていると聞いたんです。「蕎麦打ちをしたくて」って言うんですよ。私が蕎麦屋をやりたいというのがあり、蕎麦打ちしたいというので、久しぶりの再会でしたわけですが意気投合したんです。今彼は修行しているのですが、ゆくゆくはタイミングが合えばと思ってます。また、パン屋も検討していました。美味しいパンを焼いて昼からしか開かない店とか、積極的な宣伝はしないで知る人ぞ知るような店舗を考えていました。今では食パン専門的が流行ってますが、なかなかその当時は理解されなく断念しました。その他にタイカレー屋さんをやりたいとか、いろいろ考えています。弊社のスタッフにカレー好きがおりまして、ちょっと考えています。器をどんぶりにして食べやすくして提供したいな、と思ってもいます。

岡村:デザインされたどんぶりで食べるタイカレー食べてみたいです。

デザイン戦略と管理を時間単位に落とし込む意義

富田:オフィスのデザインもお洒落で綺麗なのが伺えますが、このコンセプトは野澤さんが考えられたのでしょうか?

野澤:会社のイメージカラーは赤にしようと決めていたので、ここに映ってますが、壁を赤にしました。ただ赤だけだと視覚的に強いので、その他は北欧風の家具で揃えました。会社をやるには熱気を持ってやりたいと考えていましたので、情熱の赤だと思い決めまして、ロゴの色にもしています。

岡村:見ていると元気がもらえるオフィスですね。

野澤:あと、京都オフィスの方は、オレンジにしています。これもロゴデザインのオレンジ色を使ってデザインしました。京都は一軒家のオフィスなので、ポイントポイントで、オレンジ色をデザインしたインテリアです。

岡村:会社のSNSの写真もすごくいいですよね。インスタグラムとかに綺麗な写真とデザインされたレイアウトロゴがありますが。

野澤:ありがとうございます。

岡村:会社のSNSはだいたい、WORKSを載せたりしていますが、なぜ写真なんですか?直接的な宣伝でないのですか?

野澤:なかなか仕事の全部を掲載することはいろいろあり難しいのですが、適度に他社さんのように宣伝もしています。ただSNSを活性化するために、趣味で撮っていた写真をデザインして掲載をしています。見ていただいているクライアントさんの中には写真まで依頼がくることも少なくありません。

岡村:趣味と仕事が繋がってますね。最後に気になったことを質問させていただきたいのですが、ブログのインタビューに「管理を時間単位まで落とし込んでいかないと、全体が曖昧のまま進行してしまう」とありますが、なぜ、時間の単位まで落とし込むことを考えられているのですか?

野澤:昔、このような業界は時間に関係なく、昼夜も関係なく一生懸命働きやっと名前が売れるようになったと思うんですね。人一倍働いて、経験を多く積んでやってきたのですが、時代的にそうはもう戻れません。そして、時間かければいいものが出来るというわけでもないこととわかってきたと思うんです。だとしたら仕事を効率よく、そして創造性豊かに働ける環境を作ることが大切だと感じています。時間配分を考えることを自主的にやっていくことが、自然と昔とは違う働き方に変わっていくと思ったのです。時間を切ることで、どちらを優先してやるタスクなのかとか、自分で時間を区切ることを身につけることで、効率よく仕事をすることが自然と身に付いていくはずです。そこで生まれた余裕時間で新しいことを考えることができたらと考えています。そういった流れを期待しての時間単位の管理です。

岡村:興味深い話ですね。個人的にすごく刺激になりました。ありがとうございました。是非飲食業も期待しています。

富田:なかなか慣れないアバターでの会話でしたが、今日はありがとうございました!

コアフレーム株式会社
コアフレーム株式会社
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京都オフィス:〒604-0805
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https://coreframe.co.jp/
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■事業内容
Webサイトの企画、デザイン、制作その他Webサイトに関連する一切の業務
グラフィックデザインおよびキャラクターデザイン
商品の企画、製造、輸入、販売
■設立
2013(平成25)年3月6日
INTERVIEWEE
野澤 一弥(コアフレーム株式会社 代表取締役)
INTERVIEWER
岡村 美里
富田 しおり(日本工学院専門学校 声優・演劇科)
EDIT&PHOTO
Enhanced-Endorphin
REALITYアプリ
https://reality.wrightflyer.net/
参照:「ZoomやSkypeなどのビデオ会議に無料でアバター参加する」方法
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