• 記事を共有する

Visiting Production 会社訪問

【第24回/2013年11月号】C'S CRAFT

今日は、秋田市にオフィスがあるシーズクラフト社の立花大輔社長にお話を伺います。東京のゲーム会社やプロダクションにてCG/VFXの実績を積み、秋田に会社を設立されました。映画のタイトルをみるとメジャーな作品に多く参加されています。何故秋田なのか、お話を伺いたいと思います。

Enhanced-Endorphin(以降EE):まずは何故、秋田なのか聞かないといけないと思っています。CG/VFXのプロダクションは東京に集中している中、それ以外の地域でのプロダクションの運営は難しいのではないでしょうか?

立花大輔社長(以降立花):秋田である理由はただ単にそこに住みたいからです(笑)。東京以外でのプロダクション運営についてですが正直難しいかもしれません。私も秋田に拠点を構えて運営するまでは、無理だと思っていました。かなりの方々がそう思っていると想像します。ただ、運営の前に人脈をきちんと築いておけば、大丈夫だと思います。また、東京以外の地方に仕事を発注することへの抵抗が薄くなってきているので、その分チャンスだと思っています。

EE:現在、何人ぐらい働いているのでしょうか?

立花:内部で6名、外部で4名の合計10名です。外部は在宅みたいな感じで働いていただいてます。

EE:今後、何人ぐらいがベストだと考えてられますか?

立花:12人〜15人ぐらいでしょうか。最初は30名ぐらいを考えていたのですが、秋田で30名を1箇所で集めるのは難しいと感じたからです。また人員が1箇所に集中すると統制が難しくなると聞いたので、サテライト的に各地域に何名か居て、総勢50名くらいになればよいと思っています。

EE:クライアントさんが東京の会社が多いかと思いますが、ミーティングや映像チェックなどはどのように行っていますか?また将来的には東京に支社を持つこともありえますか?

立花:ミーティングは、最初の1回目や呼ばれた時にだけ東京に行きます。そのほかの打ち合わせは Skype が多いです。映像チェックはFTPで送ります。また、将来的に東京に支社を持つ件ですが、そうならざるを得ないと思っています。人材の確保という意味で。

EE:どのぐらいの頻度で東京に行かれているのでしょうか?

立花:頻度が高いときは1週間に1〜2回くらいです。低いときは2ヶ月に1回くらいでしょうか。

EE:それでもコストメリットがあるということでしょうか?

立花:正直、コストメリットはさほど無いと思います。コストメリットというより、どこで生きてきたいかの問題だと思います。故郷に帰って働きたいと思っている人は少なくないと思います。また、私自身東京での生活から一変しまして、時間の使い方に余裕が出来たように感じます。

EE:秋田から、さらに地方都市、もしくは海外へと作業依頼ということにもなっていくのでしょうか?

立花:作業依頼については、東北6県など東京以外に出せるようにしていきたいと思っています。ただ、海外は考えていません。

EE:ちなみにですが、最近読んだ本とか、観た映画とかで影響を受けたものはありますか?推薦したいような、、、

立花:『7つの習慣―成功には原則があった-』(スティーブン・R-コヴィー著)、『全能思考』(神田昌典著)、『金持ち父さん、貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ/シャロン・レクター共著)あたりでしょう

EE:さて、立花さんのクリエイティビティを求めて、東京からわざわざ、本当にわざわざ発注されると思うのですが、立花さんそしてシーズクラフトさんの特徴はなんでしょうか?

立花:弊社の特徴はクリエイティビティというより、サービスにあります。簡単に言うと、仕事のしやすさです。あれこれ説明しなくても、ある程度のクオリティの動画があがってきたら良いと思いませんか?どのくらい出来上がっているのか、いつデータがあがってくるのか、心配しないでよくなったらよいと思いませんか?そんな「おもてなし」のサービスを提供していると思っています。

EE:なるほど。それでは人材は秋田県から発掘、育成している感じでしょうか?

立花:当初は「県外からAターン」など考えておりましたが、実際は秋田で0から育成という感じになっております。大学で非常勤講師をしていますが、そのことも含め人材育成だと考えております。

EE:それは素晴らしいビジョンですねぇ。地方都市でCG制作というのは、10年前だと無理だったように感じます。そして今だからこそ可能になったと思うのですが、その辺いかがでしょうか?

立花:2つの要因が揃ったからだと思います。1つは「インターネットの環境がかなり整った」からではないでしょうか。打ち合わせも Skype ですし、データのやり取りも FTP で出来てしまうので。あともう1つは「皆様の考え方が多様化してきて、東京以外にも発注」という考えが出てきたからだと思っています。

EE:今日は貴重なご意見ありがとうございました。今後の更なる活躍を期待します。

EDIT&PHOTO:Enhanced-Endorphin

シーズクラフト
株式会社シーズクラフトとは、2011年4月、秋田県秋田市にコンピュータグラフィックスを使用した映像制作を中心とした会社として設立。

サービス内容:
株式会社シーズクラフトはコンピュータグラフィックスを使用した映像制作及び、合成処理技術を得意とし、思考の視覚化を各種ご提案させていただきます。

<映像事業>
CM、映画、アニメなどの映像制作全般に対応いたします。
<パチンコ・パチスロ遊技機事業>
ムービー制作、各種素材(通常背景、図柄、文字、エフェクト)作成、オーサリング作業に対応いたします
株式会社シーズクラフト
〒011-0943
秋田県秋田市土崎港西3-9-15 チャレンジオフィスあきた304
TEL: 018-845-7780(代表)
FAX: 018-845-7780
http://cscraft.co.jp/

シーズクラフト・クレジットリスト:
『はやぶさ 遥かなる帰還』 2012年
『ウルトラマンサーガ』 2012年
『妖怪人間ベム』2012年
『牙狼<GARO> 〜慟哭ノ魔竜〜』2013年
『めめめのくらげ』2013年
『ガッチャマン』 2013年
『衝撃ゴウライガン!!』 2013年(TVシリーズ)
『幕末高校生』 2014年
代表取締役 立花大輔
3DCGアートディレクター 1976年生まれ 新潟県出身
東京でセガエンターテイメントに在籍。ドリームキャスト用ソフト『シェンムー』等を担当後、株式会社D・A・G、株式会社デジタルコンパスでゲーム、CM、映画等数々のデジタルコンテンツの制作や社内CGディレクターを務める。
2011年4月、秋田市にて株式会社シーズクラフトを設立。映画、CM、ゲーム、遊技機等のCG、3DCG等を制作。

立花大輔・クレジットリスト:
『ドラゴンヘッド』2003年
『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』2007年
『銀河鉄道999 星空はタイムマシーン』2007年(IMAX)
『HAPPY FLIGHT』2008年
『ROOKIES -卒業-』2009年
『曲がれスプーン』2009年
『釣りキチ三平』2009年
『はやぶさ 遥かなる帰還』 2012年
『ウルトラマンサーガ』 2012年
『妖怪人間ベム』2012年
『牙狼<GARO> 〜慟哭ノ魔竜〜』2013年
『めめめのくらげ』2013年
『ガッチャマン』 2013年
『衝撃ゴウライガン!!』 2013年(TVシリーズ)
『幕末高校生』 2014年

Backnumber