第 88 話 2004/12/26 シェリー・ブラゴ 新たなる門出

脚本
大和屋暁
演出
志水淳児
作画監督
清山滋崇
美術監督
徳重賢

シェリー&ブラゴがゾフィスに最後の戦いを挑んだ! すでに余裕がないゾフィスは、切り札であるココを崖下に身投げさせることでシェリーの気を逸らそうと画策。だがそれを見越していたシェリーは、空中でココを抱きかかえ危機を回避する。それによって万策尽きたゾフィスは魔法本まで奪われ、降伏せざるを得なくなった。だがゾフィスはほくそ笑む。なぜならココの心の支配には別の仕掛けが施されており、それを解除したならば、ゾフィスと共にした悪行の記憶まで優しいココに残ってしまうのだ。つまりココは、心ならずもしてしまった行為に、一生苦しめられてしまうのである・・・。

シェリーもそのことは危惧していた。だからこそ清麿たちが手を出すことを禁じ、すぐに魔法本を燃やしてゾフィスを魔界に戻すこともしなかったのだ。ココの中に最悪の記憶を残すも消すも、ゾフィスの意思ひとつ。シェリーはゾフィスにココの記憶を消すよう言うが、ゾフィスがそれに従うはずはない。しかしシェリーのパートナー・ブラゴだけは気付いていた。ゾフィスが、自分を心の底から恐れていることに…。「魔界に帰った後も、オレから逃げ続ける生活を送りたいのか」…その一言がゾフィスを畏怖させ、ココの悪行の記憶を消すことを約束させた。

迎えに来たヘリでシェリーとブラゴは帰路に就いた。もちろん意識を失ったままのココと、ブラゴにビクビクするゾフィスを伴って…。そしてレイラもまた清麿たちに別れを告げる決意をしていた。「魔界の王を決める戦いには関係ない存在、それに…魔界に帰る恐怖も、あなたたちのお陰でなくなったから…」。そう言い残したレイラは、アルベールとの別れを惜しみつつ魔法の本を燃やしてもらい魔界へと帰っていった…。こうして長く続いた石板を巡る戦いも幕を閉じ、清麿たちはそれぞれの故郷へと帰っていったのだった。

パートナーを伴い、日常に戻ったフォルゴレ、リィエン、サンビーム、恵。ビョンコを失ったアルヴィンは彼の形見である葉に想いを残し、パティと別れたウルルも今やイギリスのレストランに就職し仕事に励んでいる。そしてゾフィスを魔界に戻したシェリーも、ようやく元の優しいココに戻った彼女に幸せを感じていた。これからもブラゴを魔界の王にするための戦いは続くものの、これで思い残すことはない。一方、清麿とガッシュもまた賑やかな日々を取り戻していた。次の戦いが始まる、その時までの平和な日々を・・・。