第 12 話 2003/06/22 シェリー運命の狂詩曲

脚本
成田良美
演出
地岡公俊
作画監督
信実節子
美術監督
清水哲弘

魔界の王を決める戦いを続けているシェリーとブラゴ。二人は魔物の子を探して世界各国をまわっていた。ろくに休みもとらず、何かに取り付かれたように戦いに固執するシェリーに、魔物のブラゴの方が心配する。そして戦いの中、とうとう倒れてしまうシェリー。朦朧とした意識の中で、シェリーはとある出来事を思い出していた・・・。

・・・名門ベルモンド家の令嬢であったシェリー。それゆえ厳しいしつけを強いられていた。幼い頃、苦しさのあまり川に身を投げたシェリーを助け、元気づけてくれたのがココだった。以来無二の親友となるが、貧しいというだけでいじめられるココを見てシェリーは心を痛めていた。ある日、シェリーは執事からココが努力の末に奨学生として大学に受かったと聞かされる。これでいじめられる事もなくココが幸せに暮らせる!とココの元に急ぐシェリー。しかし、街は炎に包まれていた。

それはココ自身の仕業だった。ココの手にあったのは魔本。魔物の力を手に入れたココは、今まで自分を馬鹿にしてきた人達に復讐するのだという。その隣で不気味に笑う魔物・ゾフィス。戦いに興味を示さないココの心を操り、憎しみを増長させたのだ。愕然とするシェリーを容赦のない炎撃が襲う!「さよならシェリー」 去って行くココとゾフィス。立ちこめる爆煙の中、うずく まるシェリーの前にはブラゴが立っていた。ドサリと落ちるブラゴの魔本。そしてシェリーは・・・

今度は私がココを救う番・・・!!シェリーは立ち上がる。一刻も早くこの魔界の王を決める戦いを終わらせるため。そして、ココと一緒に幸せになるために。シェリーの魔本が強く輝く。 戦いの後、また倒れてしまったシェリーに上着をかけ、背負うブラゴ。「なぜこの戦いは、こんな弱い人間と組まねばならん・・・」眠るシェリーを背に、ブラゴはそう呟くのだった。