第 112 話 2005/06/19 回る! 回る! 転ぶ! 転ぶ! 爆裂アイススケート!!

脚本
大和屋暁
演出
今沢哲男
作画監督
八島善孝
美術監督
渡辺佳人

魔界の建造物だと思われる謎の塔「ファウード」。ほんの一瞬だけ人間界に現われ、そしてすぐに消えたその塔を巡り、清麿たちの動きもにわかに慌しくなり始めていた。なぜなら、すでにそのことに関連したような魔物による襲撃事件に巻き込まれつつあったからだ。深夜にバトルを申し込んで来たアースたち…早くもファウードの存在を感じていたコーラルQ…。だがリィエンやナゾナゾ博士たちとミーティングしたところで真相が判明するわけでもなく、唯一「何か」に気づいたキャンチョメが硬く口を閉ざしたこともあって、結局何も判らずじまいだった。

「もし勇気が出たら、気付いたことを教えてくれ」…キャンチョメに優しく言葉をかけ、清麿たちは彼らを空港で見送ることにした。現状をどんなに分析してみても、『ファウードを出現させた「相手」は何かを企みつつ、準備不足で姿を消した』…そんな推理しかできず、今後の推移に注意を払うしかない…。そんな中、ガッシュは「もう三日ほど待ってくれたら、みんなでスケートというものができたのだが…」と、残念そうにそう漏らしていた。どうやらクラスメイトたちとスケートに行く約束をしていた清麿&ガッシュは、リィエンたちにもクラスメイトたちを紹介したかったらしい…。

清麿がスケートに誘われたのは数日前のことだった。発端は、テレビでフィギュアスケートを見た鈴芽が、リンクで転びそうになる自分を清麿に助けてもらいたいと考えたこと。そこに、クラスメイトの山中やマリコが参加に名乗りを上げ、遠山やモンモンといった教師陣までやって来ることになったのである。すべては己の欲望のため、「今度こそ清麿を倒す!」という中山や遠山の野望、マリコのように「リンクで目立ち、アイドルとしてスカウトされたい!」という夢のため…。

それぞれの野望を胸に、スケート場へとやって来る鈴芽たち。どうやら彼らは、この日のために特訓を重ねたようだが…!? 一方、彼らの思惑など少しも気付いていなかった清麿&ガッシュは、普通に楽しもうとして早速スベって転んでいた。これには、愛する清麿にスケートを教えてもらおうと考えていた鈴芽はガックリ。逆に、「これなら確実に清麿に勝てる!!」と歓喜したのは、中山や遠山たち、勉強ゴトでは清麿に勝てない人々だった!! しかしいざ滑ろうとすると、彼らも次々と転倒…。結局、誰一人としてリンクの上に立っていることができず、情けない姿を見た清麿は「リィエンたちに紹介しなくてよかった」と、心底ホッとしたのだった。