秋元こまちの夢は、人を感動させられる作家になること。特に、のぞみの父のような童話作家が目標だ。そのためにコツコツと作品を書き上げ、仲間たちに感想を求めようとする。作品のタイトルは『海賊ハリケーン』。胸が躍るような大冒険活劇だ。だが、仲間たちが「面白い」と絶賛する中、ひとりナッツが呟く。「…何を訴えたいのかがわからない」。こまちは慌てて説明しようとするが、文章で訴えられないのなら意味がない…と、ナッツはいつものクールな態度で突き放した。別に、悪気があってそう言ったのではないのだが…。
いくらナッツがパルミエ王国一番の読書家だとは言え、あれはあまりにも酷すぎる!! 確かに彼は正直に感想を言っただけだ。だがその不器用な発言は、こまちを深く傷つけてしまう…。すまないと思う気持ちはある。しかし、感想は正直な気持ちだから間違ってはいない。彼女にどう接したらいいか、本で調べれば分かると考えたナッツだが、そんな本などどこにもない…。一方のこまちは、深く落ち込んだままだった。あの作品は自信作だった。それを否定された今、夢を諦めた方がいいのかも…。
翌日、ナッツハウスにこまちの姉『秋元まどか』がやって来た。彼女は妹の代わりに…と、ナッツが好きな豆大福を届けに来てくれたのである。そこで再び、彼に反発するかれんたち。「正直に言えば、相手を傷つけてもいいの?」。そんな中、まどかがナッツをフォローした。「ナッツさん、気にしなくていいよ。少しキツく言われたくらいでスネるあの子が弱いだけだから」。その言葉に煽られるようにして、さらにヒートアップするのぞみたち。あの作品には元気づけられた、技術よりも書き手の熱意が大切!! 意を決したナッツは、まどかに頼んで秋元家を訪れることにするが…。
だがこまちはと言うと、やはり作家の夢を諦めようとしていた。そこでナッツは語気を強める。「夢はどうする!? そんなに簡単に諦められる事なのか!? お前の夢に対する気持ちはその程度か!?」。さらに彼女は、ナイトメアとの戦いの中でも気付かされた。「失敗してもいい、またやり直せばいいんだ!! 大切なのは諦めない強い意志!!」…そうしてようやく立ち直ったこまちは、照れながらも適切なアドバイスを送ってくれたナッツとも仲直りし、またチャレンジし直そうと決意するのだった。その一方で、ナッツは相変わらず不器用なままのようで…。