朝、響の家では母・まりあがバタバタと朝食の支度をしていた。北条家では久しぶりに家族揃っての朝食だったが、まりあが今夜再びフランスに戻ると聞いて少しがっかりの響。しかし響は笑顔で学校へと向かう。響は普段は海外に出ていてなかなか一緒にいられないまりあにどう甘えていいのかわからなかった。そんな響に、お母さんにしか言えないようなわがままを言ってみればいいと言う奏。もしわがままを言うとしたらお母さんに一度でいいから子守唄を歌ってほしい……奏にそう自分の気持ちを言う響。

すると、学校に突然まりあが現れる。いつも学校行事に参加できないまりあのために、校長先生が特別に一日だけ授業参観を許してくれたのだ。授業中、まりあが見ていると思うと恥ずかしくなってしまう響。しかし音楽の授業ではまりあの前で頑張って歌を歌おうと張り切る響だったが、逆にまりあのバイオリン演奏を聴くことになってしまう。お昼休み、校内放送でDJをすることになった響とまりあだったが、王子先輩も急遽DJをやることになり、DJはまりあと王子先輩で盛り上がってしまう。その様子を見ていたセイレーンたちは響に作戦をしぼって、まりあの前でひどい目にあわせてやるとたくらんでいた。

放課後、普段の響の様子が見たいと言うまりあと一緒に調べの館へと向かう響と奏。まりあの前でピアノの演奏をしてみせる響たちだったが、疲れていたまりあは居眠りしてしまう。結局まりあは私のことを全然見てくれない、と思う響。その時、ネガトーンが現れた、と告げにくるドリーとレリー。響と奏が駆けつけると、エレンが変装した偽響がリモコンネガトーンを使って、周囲の人々を悲しい音楽で苦しめていた。やってきた響を見ると、エレンは元の姿に戻り、響を指して「平和の敵！」と嘘をつく。信じてしまった人々は響を責め立て、追いかける。

響のピンチを見たまりあは、響を守り、美しいバイオリンの演奏で人々の心を目覚めさせる。逃れた響は奏と一緒にプリキュアに変身し、見事ネガトーンを撃退。旅立つ前に、まりあを自分の好きな場所に連れて行く響。そこは偶然にもまりあのお気に入りの場所でもあった。夕日に染まる町を眺めながら、どれだけ離れていても心はずっと響のそば――そう話すまりあの言葉に涙があふれる響。まりあを乗せて飛び立つ飛行機を見ながら「まりあは子守唄代わりにいつも響にバイオリンを聴かせていた」と団から聞いた響は、いつかピアニストになってパパとママと同じ舞台に立ちたいという夢を持つのだった。