少年時代の怖ろしい記憶にうなされるドフラミンゴ。それは天竜人を憎む人々によって父、弟と窓から吊るされ、矢で狙われるというおぞましいものだ。やがて電伝虫の呼び出しで現実へ引き戻されるドフラミンゴ。それは33年前、聖地マリージョアで何不自由のない生活を送っていたドフラミンゴだったが、父のホーミング聖が天竜人の身分を捨て、人間として暮らすことを選んだことにより環境は一変する。ほかの天竜人たちから裏切り者とそしられながら、家族4人で北の果てにある、世界政府の非加盟国に移住したのだった。
面倒なことをやらせる奴隷もなく、慣れない環境に癇癪を起すドフラミンゴ。市場へ出かけたホーミング聖は、どこから来たのかと聞かれ、自分が天竜人だったことを話してしまう。天竜人を目の前にして言葉を失う人々に、仲良くしてほしいと頼むホーミング聖。しかし、天竜人のきまぐれで家族を失い、傷つけられた人々の怒りを買い、家族全員を捕えようと集まった人々によって屋敷を焼かれ、命からがら逃げだすことになってしまう。闇にまぎれ、必死に逃げるドフラミンゴたちは、やがて廃墟同然の小屋に姿を隠した。
かつての仲間たちに自分の考えが甘かったと詫び、せめて妻と子供たちだけでもマリージョアへ帰還させてほしいと懇願するホーミング聖。しかし、願いは叶わず、妻は病気で倒れてしまう。ドフラミンゴと弟ロシナンテは憂さ晴らしとして人々から袋叩きにされ、飢えを満たすためゴミをあさった。やがて母が亡くなり、家族全員捕まってしまう。子供だけは助けてほしいと涙を流して懇願するホーミング聖。自分たちを囲む人々の激しい憎しみを前に、ドフラミンゴは今までのことを思い出し、父へ怒りと憎しみをぶつける。
血の掟を破った罰を覚悟するローだが、意外にもドフラミンゴはローを正式にファミリーの一員として迎え、悪魔の実のことを教えた。運があれば3年の間に命を救われる可能性があり、10年後の右腕として見込んだというのだ。なぜコラソンが自分をかばったのか不思議に思いながら、幹部たちに鍛えられ力をつけていくロー。それから2年、子供同士で本名を教え合ったローは、自分がトラファルガー・D・ワーテル・ローだと教えた。隠し名のDを聞きつけ、血相を変えてローを連れ出すコラソン。しゃべれないはずの口を開き、その話が本当ならドフラミンゴと一緒にいてはいけない人間だとローに迫った。