Cブロック勝者の座を賭けたルフィとチンジャオの一騎打ち。互いの技が激しくぶつかり合い、素早い動きはもはや観客たちには見ることすらできない。しつこい攻撃にうんざりしながらも、その強さに感心したルフィだが、それがきっかけでチンジャオを逆上させてしまう。かつての自分の強さはこんなものではなかったと、なおもルフィにガープへの憎しみをぶつけるチンジャオ。ルフィに事情も知らずにわかるはずがないと言い返され、意を決したように30年前、ルフィの祖父ガープと自分の間に何が起こったのか語り始めた。
かつて、チンジャオは八宝水軍を率いた海賊で、先祖から伝わる数えきれない財宝を持っていた。その隠し場所は宝玉氷床とよばれる分厚い氷の下で、開けるためには一点にすさまじい力を込めねばならず、それができるのは錐のような頭を持つチンジャオだけだ。しかし、ガープの硬い拳との激突で肝心の錐が頭にめり込んでしまう。それ以来、二度と氷を割ることができず、絶望したチンジャオは海賊をやめた。だが、思いがけずルフィの出場を知って、その命を奪うことで自分の受けた絶望をガープに思い報せようとしたのだ。
チンジャオとガープの因縁を聞かされたルフィだが納得できない。しかし、チンジャオはかつての力を失った自分と対等に戦うレベルでは実力不足だと鼻で笑い、白ひげ亡き今、見栄えがするのは黒ひげくらいだと挑発した。そして、あくまでもルフィにガープの罪を償えと迫り、再び攻撃を仕掛ける。高速回転しながら四方に飛ぶチンジャオを素早くかわし、腕を伸ばして動きを止めると、ルフィはゴムゴムの鷹ライフルで吹っ飛ばす。すぐさま起き上がってきたチンジャオはレイリーとエースを罵倒して、さらにルフィを挑発する。
30年の恨みを込め、チンジャオが最後の攻撃を仕掛けてきた。上空から放ったルフィのゴムゴムの象銃とチンジャオの無錐釘が激突する。すさまじい気迫と力がぶつかり合うが、ルフィの力が競り勝ち、拳がチンジャオの頭にめり込んだかに見えたそのとき、チンジャオに異変が起きた。なんとガープによってめり込んだ部分が殴られたショックで錐のように飛び出してきたのだ。そして真っ逆さまに落下したチンジャオは頭の錐でリングを真っ二つに割り、水中へと落下してしまう。チンジャオが場外に堕ち、観客の声援に応えるルフィ。激しい戦いの末、ルフィはついにCブロックを勝ち抜いたのだった。