サイエンス

実験するときは大人といっしょにやろう

実験2  スライム

スライムの材料

  • スライムは、以下の材料で作れます。()内は正式名称です(覚えなくていいです)。
    1.PVA(ポリビニルアルコール)入り洗濯のり
    ----------30mL
    2.ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム十水和物)
    ----------20~30mL
    3.水
    --------------------------------------------------20mL
  • ホウ砂には少し毒性があります。作った後、スライムで遊んだ後は必ず手を洗いましょう。目をこすったり指をなめないように。
    PVAと水を混ぜてから、ホウ砂水を入れます。

第一章: スライムのレシピ

スライムの作り方

1.ホウ砂を水に溶かします。これ以上溶けなくなるまで溶かしましょう。20℃の水100mLに2.56gまで溶けます。50mLの水に2gくらい入れれば確実です。
溶かしたら、上澄み液20mLを別の容器に移しておきます。

2.PVA洗濯のり30mLを水20mLで薄めて、そこにホウ砂溶液を少しずつ加えながらかき混ぜます。使い捨て容器でやってみましょう。全体が固まってゲル状になったら完成です。ホウ砂溶液の量はお好みで。(後述)

3.ジップロックなどに入れて保管しましょう。この量だと、B8サイズの袋がちょうどいいです。作り終わったら、必ず手を洗いましょう。

第二章: PVAはなぜ固まった?

PVAとは?

  • PVA(ポリビニルアルコール)とは、液体のりや、合成繊維(ビニロン)など、広い用途に使われている物質です。
  • ビニルアルコール(C2H4O)が非常に沢山つながった(ような)構造を持ちます。紐のようにながーい分子です。

ホウ砂とは?

  • ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム十水和物)とは、目の洗浄に使われたり、耐熱ガラスの原料となったりする物質です。
  • ホウ砂は水に溶けると、ホウ酸ホウ酸イオン(とナトリウムイオン)に分かれます。

ホウ砂による架橋反応

  • 前ページで分離したホウ酸やホウ酸イオンの水色の部分、ここはPVAと結合しやすい性質を持っています。
  • すると、ホウ酸達は2本のPVAの鎖を結びつけます
    PVAの間に橋を架けているように見えるので、これを「架橋反応かきょうはんのう」といいます。
  • 紐のようにながーいPVA分子がいたるところで架橋され結び付けられるので、PVAは一つの大きなになります。これが今回作るスライムです。

スライムがプルプルなワケ

  • この反応は水溶液の中で行います。
    なので、周りに沢山ある水分子が、ホウ酸とPVA鎖で出来た空間入り込みます。そのため、スライムはプルプルになるのです。

ホウ砂の量とスライムの硬さ

  • ホウ砂を増やすと、架かる橋の数が増えます。
    そのため、ホウ砂水溶液を少ししか入れないと柔らかいスライムに、ホウ砂水溶液を沢山入れると、硬いスライムになります。
  • ホウ砂によるPVAの架橋反応を用いてスライムは作られます。
  • 架橋反応を起こす部分(図の水色の部分)は水分子とよくなじみます。だから、水分子がよく入り込むんですね。
  • この架橋反応を応用することで、がん治療に役立てようとする研究があるようです。
    URL:[https://www.titech.ac.jp/news/2020/046060]