第 15 話
1999/06/13放映予定
エテモン! 悪の花道
脚本
西園 悟
演出
早川啓二
作画監督
伊藤智子
美術監督
清水哲弘

ホエーモンの協力で進化の鍵となるタグを手に入れ、希望もあらたに航海を続ける子供たち。そして海に出て5日目の朝、ついにその時が訪れた。単眼鏡を覗く太一の視界に広がる黒い影……サーバ大陸だ! 途中ホエーモンの背中から飛び降りるのに失敗したミミに光子郎が下じきにされるなどちょっとした(?)ハプニングはあったものの、無事にサーバ大陸に上陸した子供たちはホエーモンに別れを告げて荒野を歩き出した。ホエーモンの話では荒野を抜けた先の森にコロモンたちの村があるというのだ。しかし……。
「……本当に……大陸に来たんだな……」  丈があきれたようにつぶやく。ギラギラと照りつける太陽。どこまで歩いても変わらない景色。それはまさしく大陸だった。 「あ~あ……陸に上がったら、お風呂に入れると思ってたのにぃ!」 「村に着いたら、入れるわよ……」 「いつ着くのよ? 何時何分何秒?」  みんなが疲れてきて、いつものようにミミの不満が顔を出しかけたその時、アグモンが不意に何かを感じたように駆け出した。 「こっちからコロモンのにおいがするんだ!」 「何だって?」  コロモンの言葉に慌てて単眼鏡を取り出す太一。確かにそこに見えたのは探していた森だった。そして……。
「わ~~っ!」  子供たちの口から思わず驚きの声がもれる。森の中を抜けたその先には、まわりを丘に囲まれた小さな村があったのだ。 「お風呂お風呂お風呂~~っ!」  急に元気になって村の中に駆け込むミミ。他の子供たちもその後に続く。 「ねえ、お風呂どこ?」  村のデジモンたちに勢い込んで尋ねるミミ。しかし一斉に振り向いたその顔は……見慣れたコロモンのものではなかった。 「違うわ! こいつら……パグモンよ!」  灰色の体とミミを見つめるいやらしい目つき。そこは意地悪で有名なパグモンたちの村だったのだ! 「きゃ~~っ」  パグモンの集団に体を持ち上げられて悲鳴を上げるミミ。村の奥に連れ去られるミミを追う子供たち。だが手がかりを追ってホテルの一室に飛び込んだ太一と光子郎を待っていたものは……。
「いや~~っ!」  再び上がるミミの悲鳴。さらに風呂桶やシャンプーの容器が2人の顔面に命中! 実はそこはホテルのバスルームで、パグモンたちに案内されたミミがのんびりと入浴中していたのだった。  夕暮れ、パグモンの村で歓迎のもてなしを受ける子供たち。最初はウワサと正反対のパグモンの親切さに疑問を感じていたものの、おいしい料理ですぐにそんなことは忘れて大満足。さらに料理を食べたポヨモンがトコモンに進化とうれしいことばかりが続く。 「おめでとう~」  パグモンたちもお祝いの言葉を述べ、さらに歓迎会はもりあがる。だがそんな歓迎ムードの中で誰も気づく者はなかった。ポヨモンから進化したトコモンを見つめるパグモンたちの目が怪しく輝いていることに……。
そしてその日の夜。みんなが寝静まったころ、村の近くの森の中には連れ出されてパグモンたちに取り囲まれるトコモンの姿があった。進化したトコモンを生意気だといじめ、滝の裏の洞窟に閉じ込めるパグモンたち。パグモンたちは実はサーバ大陸のボス・エテモンの部下で、あの村も元々はコロモンの村を占領したものだったのだ!  同じくエテモンの部下・ガジモンがエテモンに報告しに行く間、子供たちを足止めすることになったパグモンたち。そうとは知らずパグモンたちの言葉を信じて洞窟から遠ざけられた子供たちは、見つかるはずのないトコモンを探して別の場所を調べ続ける。  だがそんなとき、森の中を探すアグモンが何かに気づいた。ヒクヒクと鼻を震わせながら匂いをかぐアグモン。 「間違いない! これはコロモンの匂いだ!」  匂いをたどって駆け出すアグモン。そしてたどり着いた滝の裏の洞窟でアグモンが見たのはコロモンたちといっしょにオリに閉じ込められたトコモンだった! パグモンたちの悪だくみを知り、トコモンたちを助け出そうとするアグモン。だがそのとき、2匹のガジモンがアグモンに襲いかかる! 「お前はここで始末してやるぜ!」  子供たちをエテモンに差し出すため、秘密を知ったアグモンを始末しようとするガジモンたち。アグモンも必死で応戦するが2対1ではさすがに勝ち目がない。自分ひとりでは進化することも出来ず、大ピンチにおちいるアグモン。だがそのとき、滝の水を見たアグモンの頭に何かがひらめいた! 「ベビーフレイム!」  滝にむかって何発もベビーフレイムを打ち込むアグモン。炎の熱で水蒸気の煙が上がる。 「バカめ、どこを狙ってる?」  一見ムダなその攻撃をばかにするガジモンたち。だが……。 
「何だありゃ?」  太一の単眼鏡が滝から上がる煙をとらえた! 様子を見に行こうとする太一たちを慌てて止めようとするパグモンたち。だがそのあまりの慌てぶりが太一たちには逆に怪しく感じられる。さらにコロモンに進化する前のボタモンが見つかったのが決定的だった。 「それじゃここはやっぱり!」  ようやくここがコロモンの村だったことに気づいた太一たち。悪だくみを見破られたパグモンたちは一目散に逃げていく。そして太一はアグモンの元に急行。 「たっぷりお返しされてもらうぞ、メガフレイム!」 太一の協力でグレイモンに進化したアグモンはついに逆転の一撃を放つのだった。だが、とらわれていたトコモンとコロモンたちを助け出して事件が一件落着したかに見えたそのとき……。 「あ~~、もしもし。選ばれし子供たち、聞こえる」  スピーカーから響くオカマっぽい声。サングラスをかけた巨大なサルの映像が空中に現れる。サーバ大陸のボス・エテモンがついに姿を現したのだ!! 「よくもあちきをコケにしてくれたわね! 腹が立っちゃったから……この村ごと消滅させてあげちゃうわ!」  エテモンのダークスピリッツがすさまじい破壊力ですべてを破壊していく。子供たちも進化して応戦しようとするが、今度はラブセレナーデが戦う力を容赦なく奪っていく。圧倒的な実力の差に愕然とする子供たち。 「だからゲンナイさんは紋章を手に入れろって言ったのね」  戦うことさえ出来ずに洞窟の奥に逃げ込む子供たち。コロモンたちに案内されてたどりついたのは古くからの言い伝えが残るという岩の扉だった。 「なんだ、この模様は?」  扉に刻まれた奇妙な模様を見つめる太一。次の瞬間、扉の模様に反応するように太一のタグが輝き出した! 光に包まれる洞窟の中。そして再び光が収まったとき、太一の手の中にあったのは……。 「これは……紋章だ!」  それこそは太一の紋章、『勇気の紋章』だった。そして扉があった場所には外への出口が開いている。しかも出口を抜けたその先は、コロモンの村をはるか遠く離れた山の中だった! 「こいつさえあれば、エテモンなんか怖くないぜ!」  エテモンの追撃を逃れ、紋章を手に入れて新たな闘志を燃やす太一。 「油断のならない子供達ね。でも……だからこそ倒し甲斐があるってものよ」  一方のエテモンも不敵な笑みを浮かべる。サーバ大陸を舞台にした子供たちとエテモンの過酷な戦いは、まだやっと幕を開けたばかりだ……!!

○要チェック! スーパースター・エテモン初登場! 太一が勇気の紋章を入手
○登場デジモン アグモン→グレイモン  ピヨモン  ガブモン  テントモン パルモン  ゴマモン  ポヨモン→トコモン

パグモン
進化段階:幼年期
必 殺 技:アワ攻撃 弱いものイジメが大好きなデジモン。コロモンの村を占領して子供たちをダマそうとした。

ガジモン
進化段階:成長期
必 殺 技:パラライズブレス エテモンの手下のイジワルな性格なデジモン。自分より弱いものには態度が大きいが、エテモンには全く頭が上がらなくていつも振り回されている。

エテモン
進化段階:完全体
必 殺 技:ダークスピリッツラブ・セレナーデ
自称スーパースター。トボケた性格で話し方もちょっとオカマっぽいがその実力はまさに圧倒的。サーバ大陸のボスとして子供たちを何度も苦しめた。
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(C)本郷あきよし・東映アニメーション