第 28 話 2003/10/19 ティオと恵の大冒険

脚本
山田隆司
演出
西沢信孝
作画監督
浅沼昭弘
美術監督
清水哲弘

魔物の子・ティオと魔本の持ち主・大海恵は、楽しそうに電車に揺られていた。今日はガッシュと清麿の二人と、遊園地でのデートなのだ。待ち合わせまでの時間潰しに、ティオと恵は、街の店を見て回ることにした。二人が立ち寄ったブティックに、恵に背格好の似た女性・マリルが入ってきた。恵を見るなり、互いの服を取り替えようと言うマリル。面白そうと恵は頷く。だが、恵が試着室を出ると、 マリルは姿を消していた。洋服を交換したのは、従者・カラオムの目をごまかして店を抜け出すための、マリルの作戦だったのだ。

捜しに行こうと店を出た途端、恵はカラオムに捕まってしまう。恵が事情を話すと、カラオムは、マリルがカルノア王国の王位継承者であり、反対派に命を狙われていることを告げた。放って置けないと、街へ飛び出す恵とティオ。 しかし、ティオが重大なことに気付いた。命を狙われている王女の服を恵が着ているということは……案の定、殺し屋が恵に銃口を向ける。オトリになる恵。捜索を続けるティオ。マリルを見つけたティオは、涙ながらに恵の窮地を 訴える。自由な時間を満喫していた王女の、目の色が変わった。

マリルとティオは、暗殺者に捕らわれている恵とカラオムを見つけた。魔本を恵に渡し、一気に殺し屋を倒そうとするティオ。その時、マリルが毅然として殺し屋の前に進み出て言った。「私とて半端な覚悟で王位を受け継いだ訳ではない! 我が命愛しさに関係なき者を盾にしては、末代までバカにされるわ!!」 殺し屋の放った銃弾が、凛として立つマリルに迫る。ティオは魔本を恵に投げる。「マ・セシルド!!」術の盾が銃弾を防ぎ、サイスが殺し屋を弾き飛ばした。

すまなかったと謝るマリルだが、ティオはあくまで不機嫌そうなふりをしていた。マリルが一人で戦おうとした、そのことが許せないというのだ。そんなティオの姿を、恵は微笑みながら見守っていた。マリルは昔のティオに似ている。周りの人々を傷付けないために、ひとりぼっちで戦おうとしていたティオに。これからは一人では戦わないと約束したマリルに、ティオと恵は別れを告げ、遊園地へと駈けていった。