第 22 話 2003/09/07 踊りつづける緑の戦士

脚本
山田隆司
演出
中村哲治
作画監督
上野ケン
美術監督
清水哲弘

新たに出現した第四の術の威力を試そうと海辺にやって来たガッシュと清麿。その時、何やら楽しい歌声が聞こえて来る。その歌声に誘われて行ってみると、可愛らしい少年が歌いながら踊っていた。ガッシュもつられて一緒に踊っ ていると、突然小さな女の子がフライパンで殴りかかってきた!女の子の名前はジェム。踊っていたのはヨポポという魔物の子供で、ジェムはヨポポの本の持ち主だと言う。 しかしジェムはヨポポの事をあからさまに嫌っている様子・・・。清麿達はとりあえずお昼を一緒に食べる事にす る。

ジェムの話によると、ヨポポの歌と踊りには魔物を引き寄せる力があると言う。出会ったばかりの頃、二人はとても仲が良かった。へそ曲がりなジェムは、いつも近所の子にいじめられていた。それで泣いていると、得意の踊りで元気付けてくれたヨポポ。しかし、皮肉にもその踊りに引き寄せられてやってきた魔物・キクロプによって、ジェムの家族は大怪我を負ってしまった。ヨポポが悪いわけではないと清麿達は言いかけるが、それで嫌っているのではないと言う。その魔物をまた呼び寄せ仕返しをするために、ヨ ポポはこの一ヶ月、自分がいくら休めと言っても一睡もせずに踊り続けていること・・・「だから、あの子が嫌いなの!」 ジェムの目には涙が溢れていた。

清麿達とジェムがその話をしているまさにその時、ヨポポは一人、再び現われたキクロプに立ち向かっていた。大好きなジェムを戦いに巻き込まないように、ジェムを傷つけないように、ヨポポは自分ひとりでキクロプと戦おうとしていたのだ。魔法も使えず、絶望的な戦いを続けるヨポポ。絶体絶命と思われたその瞬間、清麿・ガッシュ・ジェムが駆けつける!!キクロプの恐るべき防御力の前に、ヨ ポポの攻撃魔法・ドレミケルも歯が立たない。ならばと清麿は第四の術を唱えるが何故か術は発動しない。そしてその間にキクロプの炎の拳がジェムの魔本をかすめる・・・!!

「ダメ!ダメ!」泣きながら必死に火を消そうとするジェム。しかし火は消えない。ジェムがヨポポの方を向くと、 ヨポポは・・・笑った。自分が消えてしまう事も気に留めず、 ただジェムが無事ならばそれでよいと・・・ジェムを守るため、そのまま敵に突っ込んでいくヨポポ。二人の姿に心動かされた清麿がありったけの思いを魔本にぶつけ絶叫した時、ついに第四の術、バオウ・ザケルガが発動する!!敵は倒したが、ヨポポの魔本についた火が消える事は無い。 消えゆくヨポポに謝るジェム・・・するとこれまで「ヨポポイ」 としか喋れなかったヨポポが初めてジェムの名を呼んだ。 泣きながらヨポポを抱き締め、ジェムは言った。本当は大好きよ、と。ジェムの気持ちがヨポポに伝わった時、涙と共にヨポポも消えていった。