第 124 話 2005/09/18 別れの予感 鈴芽の告白 愛と青春のハイキング

脚本
まさきひろ
演出
古賀豪
作画監督
上野ケン
美術監督
清水哲弘

テスト中、鈴芽は気がついていた。清麿の様子がいつもと違っていたことに…。それは遺跡での戦いと同様、どこか遠くを見るような眼差しだった。それもそのはず、魔界の建造物だと思われる「ファウード」を調べていた清麿は、新たに出逢った魔物「モモン」の魔物探知の能力を使い、仲間たちと共にそこへ乗り込もうと決意していたのである。それは長い旅の始まりを意味しており、もし戦いに身を投じることになれば…いや、そこでは確実に過酷な戦いが待ち受けており、生きて戻れる保証はない。…そんな、決意の眼差しに、鈴芽は敏感に気付いたのだった。

マリコがハイキングを提案したのは、憂鬱なテストが終わった直後だった。山中や岩島、中田先生やワイフたちは喜んでその提案に乗るものの、清麿の様子に違和感を覚えていた鈴芽は、不安に心をかき乱されながらの参加になってしまう。清麿がハイキングを快諾したことが、まるで親しい人たちとの最後の思い出を作る行為のように感じられてしまったからだった。そこで鈴芽は、清麿の旅の無事を祈り、手作りのプレゼントを徹夜で用意しようとする。お陰でハイキング当日は、寝不足に見舞われてしまうのだった。

ガッシュやウマゴン、クラスメイトたちが大自然で騒ぐ中、鈴芽は徹夜で作ったプレゼントを清麿に手渡そうとしていた。しかしそのプレゼントは、今日が誕生日だというマリコに奪われてしまう。取り戻そうにも、マリコはそれが自分への誕生日プレゼントだとすっかり思い込んでいる様子…。打ち明けたくても、マリコのあまりの喜びように、そして誰もプレゼントを用意していなかったことで感謝されてしまい、ついつい真実を言いそびれてしまう。このままでは、せっかくのプレゼントがマリコのものに…!?

マリコが状況を察したことで、鈴芽はようやく真実を打ち明けることができた。そのせいでマリコを気落ちさせてしまうものの、清麿との仲を知る彼女は、逆に鈴芽を励まして二人の仲を応援しようとする。お陰で清麿と二人になるチャンスを得た鈴芽は、思い切って尋ねたのだった。「高嶺くん、今度はどこに行っちゃうの!?」…と。そんな彼女の必死な様子に心打たれた清麿は、鈴芽の推測に正直に答えようとする。そして徹夜で作ったお守りをプレゼントされると、必ず無事に戻ってくることを笑顔で約束したのだった。