第 122 話 2005/09/04 かぐや伝説 ガッシュの夏祭り 月へ帰った少女

脚本
大和屋暁
演出
貝澤幸男
作画監督
出口としお
美術監督
渡辺佳人

今夜は夏祭りだと言うのに、清麿は魔界の建造物(ファウード)の調査に夢中で何やら手がふさがっている様子。仕方なくウマゴンや華と共に祭り会場に訪れたガッシュは、人波にもまれた末、二人とはぐれてしまった。おまけに、なけなしの小遣いを転んだ拍子にブチまけて、手元に残ったのはわずか300円…。落ち込むガッシュ。そんな彼の前に、ひとりの少女が現れた。キツネの仮面をかぶった一団から逃げていた彼女は、自分の素性や名前を隠した上、ワケもわからず戸惑っているガッシュに「かぐや姫」と名乗る。

「祭りは楽しいものだと思っていたのだが…」人波にもまれ、散々な目に遭ったガッシュは早くもウンザリしていた。そんなガッシュに、かぐやが猛抗議する。「お祭りは楽しいものよ、楽しいから、私はわざわざ抜け出して来たのよ!!」と。そして300円しかないガッシュを先導し、自分には一万円札があるからと祭りの場に戻るのだった。しかしガッシュやかぐやのような子供がそれほどの大金を持っていることに、金魚すくいなどの屋台のオジサンたちは懐疑的。結局、どの屋台でも断られて、かぐやは落ち込んでしまう。

「教えてほしいのだ、かぐや殿。私はさっきの金魚すくいというものをやったことがない。だから教えて欲しいのだ、どんなに楽しいかを」…なけなしの300円でかぐやを元気付けようとするガッシュ。彼のその想いにつき動かされたぐやは、金魚すくいでどうにか一匹をゲット。その後も楽しく屋台を廻り、残りの100円で射的にチャレンジした。そして、わたあめと焼きソバの札を見事に撃ち落とし、境内で仲良く分け合ったのだった。でも楽しかった時間はここまで。かぐやを追っていたキツネ面の連中が、2人を追ってやって来てしまう。

「帰りたくない…もっと楽しい時間を過ごしたい」…そんなかぐやの気持ちは、魔物という運命に縛られたガッシュの共感を呼んだ。だからこそ共にキツネ面の連中から逃げ、かぐやを助けようとする。しかし神社の屋根の上まで逃げ切ったところで、かぐやは自分が嘘をついていたことを告白した。それでも自分のことを信じようとするガッシュに、彼女は「お金よりも大切なもの」を見つけたと告げ、迎えに来たヘリで立ち去るのだった。ガッシュと過ごした大切な時間こそが宝物だと、涙ながらに別れを惜しんで…。その、月に向かって飛び去る様は、まるで本当のかぐや姫のようだったという。