第 108 話 2005/05/22 ホームシック!? 華と母上 さまよえるガッシュ

脚本
大和屋暁
演出
貝澤幸男
作画監督
伊藤智子
美術監督
徳重賢

ガッシュにいつも優しい清麿の母「華」。それは我が子に対すると同然の愛情で、ガッシュは幸せな日々を過ごしていた。しかしある日、母親と子の関係を描いた絵本を見てしまったことで、ガッシュはそれまで意識していなかったことに気付かされてしまう。魔界での記憶を失っていたこと…、そして実の母の記憶も失っていたこと…。ガッシュは一瞬脳裏をよぎる、自分を包む暖かなイメージが実の母のものだと確信すると、その「本当の母」を探そうと街に飛び出した。

ダダをこねられて困る母…。通わせた塾の数で競い合うマダムたち…。くねくねと身体を揺らしながら近づくワイフさん…。挙動不審なモンモン先生…。見れば見るほど、解らなくなる理想の母親像。そこで華殿ならば…と自宅に直行。華の働きぶりを羨望の眼差しで見つめた。そして改めて気付く、母の凄さ…強さ…。清麿は突然、「母」という存在に興味を持ったガッシュに、「それはホームシックじゃないか」と話して「俺の母さんを自分の母だと思えばいい」と励ます。しかしそれがマズかった。「清麿の母上殿は、私の母上ではないのだ!!」…突然ガッシュが興奮し、家を飛び出してしまったのだ!!

ガッシュは華を本当の母のように尊敬しているし、清麿に言われなくても本当の母のように思っていた…はず。しかし自分が抱いた「本当の母」のイメージが、華そのものだったことへのショックは隠しきれない。だが本当にショックを受けたのは、他でもなくガッシュのその叫びを聞いてしまった華本人だった。それでも取り乱す様子も見せず、清麿にガッシュを追うよう指示。清麿より早くガッシュを見つけると、逃げようとする彼を「母の底力」で追いかけた。

「ごめんなさいなのだ、あんな酷いことを言って…ごめんなさいなのだ!!」…猛烈に謝るガッシュ。もし華を本当の母だと思ってしまったら、自分の中に残る、たったひとつの「母の感じ」さえ消滅しそうで怖かった…そう苦しい胸のうちを告白し、自分でも混乱していることを訴える。しかし華はそんなガッシュを責めることもなく、「いいじゃない、お母さんがふたりいたって」…と抱きしめ、自分もまたガッシュを我が子と同じ愛情を抱いていることを伝えた。そしてガッシュは元気を取り戻し、また新たな一日に張り切るのだった。