各話あらすじ

第 87 話 『メリーイタダキマス!グルメサンタの贈り物!』

2012/12/23 放送

脚本:高橋洋一  演出:小村敏明  作画:石井ゆみこ  美術:今野慎一 

行方不明になったG7の一人・パッチ捜索の依頼を受けたトリコたちは、ブリザードが吹き荒れる死季の森で無事に氏の保護に成功!パッチが探していた甘露の木も発見し、それをクリスマスツリーに見立てた料理も見事に完成させるのだった。しかし何故パッチほどの人物が直々に甘露の木を探していたのか。その理由を求めてトリコたちがマンサム所長の元を訪ねてみると、返ってきたのは新たな仕事の依頼だった。その超極秘ミッションとは、サンタに扮してIGO非加盟の貧困国の子供たちへ食のプレゼントを届けに行くこと。パッチの甘露の木は、デザートとして子供たちに配るためのものだったのだ。
本来であればこのグルメサンタは会長である一龍の役目なのだが、一龍不在の今、トリコたちにお鉢が回ってきたというわけだ。そういう事情であれば断る理由はない。トリコらはそれぞれのパートナーにプレゼントをのせて、世界各地の子供たちの元へと飛び立っていくのであった。また、パートナーを持たない小松は、今回はマンサム所長と行動を共にする事となった。所長のパートナー・リッキーの背の上で小松は、センチュリースープの完成やモルス油発見の功績を認められて、自身が(繰り上げではあるものの)世界料理人ランキング100位にランクインしそうであることを知らされるのだった。
これは料理の祭典・クッキングフェスの出場権を得る事と同義でもある。マンサムの知らせは、小松にとって何よりのクリスマスプレゼントとなったのだった。一方でトリコは、子供たちが待つ貧しく荒れ果てた町へとやって来ていた。最近まで紛争が続いていたこの町に人の気配はない。と、その時、夜の廃墟に悲鳴が駆け抜けた。トリコが声の元へ急いでみると、そこでは幼い少年が生物兵器に襲われていた。もちろんトリコは少年をすぐに救出!聞けば、人々は町の奥でひっそりと暮らしているらしい。しかし食料がなく、この少年は弟たちの食べ物を探す為にここまで出てきたのだという。
トリコは少年の健気な頑張りを褒め、笑顔を返す。グルメサンタが来たからには、もうこんな危険な真似をする必要はないのだ。少年の案内で人々の元へと向かい、プレゼントを渡していくトリコ。絶望に染まっていた顔は、温かく美味しい食事を得て、みるみる笑みを取り戻していった。もちろん、ココやサニー、小松らが向かった町でも同様であった。やがて、人々が涙を流し喜び合う中、夜空から雪が降り始めた。それもただの雪ではない。数十年に一度しか降らないと言われる食べられる雪・味雪だ。全ての人と平等に分かち合う食の恵み…。出来ればずっと、このままずっと、降り積もれ。心からそう願うトリコであった。

各話あらすじ一覧へ