各話あらすじ

第 57 話 『渾身の一作! 完成メルク包丁!』

2012/05/20 放送

脚本:田口智子  演出:中尾幸彦  作画:石井ゆみこ  美術:今野慎一 

超重力の洞窟・ヘビーホールで初代メルクに会ったトリコは、食材にして幻の砥石・メルクの星屑の捕獲に無事成功した。一方、メルクの工房でトリコを待つ小松は、二代目メルクが作った包丁で料理をし、自信を持てないでいた彼女の不安を氷解させたのだった。そして遂に、トリコが持ち帰ったメルクの星屑を砥石とし、二代目による小松の包丁作りが始まった。今回、包丁の素材としたデロウスの牙は硬く、数千度で熱しても変形しないため、ハンマーで叩いて鍛造することもできない。二代目は丹念に、少しずつ牙をメルクの星屑で削っていくのだった。そうして、折れてしまった小松の以前の包丁とも接合し、新しい包丁は徐々に完成へと近づいていく。
メルクの星屑で刃を研いだ際に出る粉、これが極上の調味料となるのだが、デロウスの牙はまさに打って付けだった。山と出る粉末を前に、垂涎して待つトリコ。包丁が出来上がったら皆で一緒に食べる約束なのだ。そして完成までもう一息となって、トリコと小松が温泉でくつろいでいると、突如、衝撃波が走り湯船が真っ二つに割れた。その原因は完成した小松の包丁だった。二代目が試しにと軽く振っただけで、そうなってしまったのだ。何とも凄まじい切れ味であった。ともあれトリコらは、包丁の完成を喜びあう。その刀身には、小松と二代目、二人の名前が刻まれていた。それは、小松に対する感謝と敬意の印として、二代目が初めて彫った刻印であった。
メルクから厨房を借り、さっそく小松は完成した新しい包丁で料理に取りかかった。その時、棚の中に食材・首領(ドン)ドングリを発見する。これを切ろうとして、以前の小松の包丁は折れてしまったのだ。新しい包丁で改めて首領ドングリに挑む小松。するとドングリは、そっと刃を入れるだけで真っ二つになってしまった。やはり、とんでもない切れ味。また、新しい包丁はそれだけでなく繊細な作業も可能になっていて、より難しい調理にも対応できるようになっていた。そして完成した料理は、"羽衣豚の生ハムピザ・メルクスペシャル"。その出来映えはまさしく逸品。そこへ今回のメイン・メルクの星屑を振りかけて、皆で一斉に、いただきます!
一方その頃、IGO法務局管理グルメ刑務所・ハニープリズンでは、看守長プリコムが監視する中、背に檻を持つ護送獣・コンボイサウルスによってグルメ犯罪者が運ばれていた。と、そこへ二人のビッグネーム、IGO会長の一龍と、再生屋・血まみれの与作が現れた。彼らは、ここに収容されている囚人・ゼブラについて話をするためにやって来たのだという。そんな二人に、プリコムは、ラブ所長が耳を貸すかどうか…と渋る。この件に関しては、法務局のグラス局長でも無理だったのだ。しかし、だからこそ一龍らは直々に訪ねてきたのである。そして牢の中では、早くも一龍たちに気付いたゼブラが、鎖に繋がれたまま薄く笑っていた…。

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