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第 55 話 『隠された真実!初代メルク現る!』

2012/05/06 放送

脚本:村山功  演出:うえだひでひと  作画:橋本英樹/山村俊了  美術:野村正信 

食材でもある幻の砥石・メルクの星屑を手に入れるため、そして新しい小松の包丁を作ってもらうため、トリコは単身、超重力の洞窟・ヘビーホールを進んでいた。しかし、どんどん強くなっていく重力に、トリコの体力は奪われていくばかり。胸ポケットに入れた小松の包丁を心の支えに進むトリコであったが、この超重力に適応する動きを身に付けなければ、いずれは力尽きてしまうだろう。そこでトリコは、地面に転がる石を見て打開策を思いつく。それは重力に逆らわないこと。倒れるに身を任せ、球体が転がるように移動するのだ。そうすれば体力の消耗も少なく、肉体への負荷も分散される…!
新しい移動法に手応えを感じながらも、残りの体力に不安を覚えるトリコ。と、その時、小松の包丁を落としてしまう。転がり落ちていく包丁を追いかけ進んでいくと、そこには高級珍味・ルビークラブの生息地が広がっていた。これを食べれば失った体力が回復できる。まさに小松の包丁の導きに違いない。トリコは感謝してルビークラブを口にするのだった。一方、小松はメルクの工房で、二代目の仕事を見守っていた。そんな中、自分にも何か出来ることはないかと、温泉で休んでいる二代目の元へ夜食を作って持って行く。しかし湯船で鉢合わせた二代目の体を見て、小松はビックリ仰天。二代目メルクは、なんと女性だったのだ。
正体を知られたこともあって、二代目メルクは自らの生い立ちを小松に語る。彼女は、初代メルクに拾われた赤子であった。初代に育てられる中で、研ぎ師の仕事に興味を持ち始めたのだという。無口な初代は何一つ教えてくれず、しかしそれでも彼女は目で見て技術を覚えていった。だが、猛獣を退治して材料を調達する初代の強さ。それだけは、どうあがいても手に入れられなかった。二代目は自嘲する。オレはまだ一度も師匠から認めてもらっていない、と。初代がヘビーホールに向かったまま行方不明になってしまったので、勝手に二代目を名乗っているだけ。本当は弟子でさえないのかもしれないのに…。
さてその頃、トリコはルビークラブをたらふく食べて体力全快。と、そこへ、高レベルの猛獣・蠍魔牛があらわれた。この超重力の下で、どこまでやりあえるか。気合いを高めていくトリコ。すると、途端に蠍魔牛が怯え始めた。と言ってもトリコに恐れをなしたのではない。トリコの背後からやって来た一人の大男に震えているのだ。もしやこの巨漢が初代メルクなのか? 問いかけるトリコだったが、男の声は小さすぎて、何を言っているのか全くわからなかった。しかも本人は伝わったつもりのようで、トリコに背を向けて去ってしまう。慌ててトリコが追いかけてみると、やがて辿り着いた先には輝くばかりの刀剣類、メルクの作品がずらりと並んでいた…!

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