各話あらすじ

第 54 話 『超重力!ヘビーホールを攻略せよ!』

2012/04/29 放送

脚本:高橋洋一  演出:中尾幸彦  作画:本田敬一  美術:野村正信 

謎の食材"メルクの星屑"の正体は、なんと幻の砥石の粉末だった!メルクの星屑を手に入れるため、そして新しい小松の包丁を二代目の研ぎ師・メルクに作ってもらうため、トリコは単身、先代メルクが消息を絶った星屑の採掘場・ヘビーホールへと向かった。ヘビーホールは人間界で最も地下深く、屈指の危険度を誇ると言われている洞窟だ。また、特殊な磁場と気圧の関係から地球の引力の影響を強く受け、奥へ行けば行くほど重力が強くなっていくという。小松から預かった包丁を胸に、トリコは注意深く洞窟を降りていくのだった。
そのころ小松は、二代目メルクの工房に残って仕事を見せてもらっていた。メルクの工房には、名だたる料理人から依頼された包丁が一日に100本ほども届く。それほどメルクの腕前は素晴らしいのだ。包丁を手に取り、砥石にあてがう二代目。そして、ただ一研ぎ。それだけで二代目の全身からは滝のような汗が吹き出していた。高レベルの食材、中でも特殊調理食材は、千分の一ミリ単位の傷でも調理に大きく影響する。研ぎ師の仕事は、大変な集中力と技術を必要とされるものなのだ。二代目の研ぎを見て感動することしきりの小松。さすが世界一の研ぎ師と賞賛するが、「先代から続いている客だから」と二代目は謙遜するばかりであった。
先代は材料も道具も全て自分で調達していたのに、オレにはそれが出来ない。まだまだ未熟だと、二代目は己を卑下する。これだけの技術があって、なぜ…?ことあるごとに先代と比較し自らを貶める二代目に、小松は首を傾げる。一方、洞窟を進んでいくトリコ。グルメ界ほどではないにしろ、体がどんどん重くなっていく。そこへ猛獣・バルバモスの群れが襲いかかってきた。猛獣の攻撃を、トリコはかわしたつもりが喰らってしまう。体が重い分、普段よりも動作が鈍っているのだ。この重力下では、敵の攻撃を見てから避けたのでは遅い。相手の筋肉や関節の動き、形、呼吸、あらゆる情報から次の動きを予測して先に動く。そんな戦い方が必要だった。
やがて徐々に超重力下での戦い方に順応していくトリコ。そんなトリコに、猛獣たちは数を頼りに襲いかかった。さばききれないと判断したトリコは、今まで攻撃に使っていた必殺技・フォークを防御へと転用する。グルメ界でコテンパンにやられるまでは意識していなかった、守るということ。その重要性について、ずっと考えていたのだ。そうして編み出された新たな必殺技・フォークシールドは、難なく猛獣の攻撃を防いでみせた。まだまだエネルギーの消費も多く乱発は出来ないが、その手応えは充分。意気揚々、トリコはメルクの星屑を目指して奥へと進んで行くのだった。しかし、ヘビーホールの最下層、そこには新たなる猛獣の影がうごめいていた…!

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