各話あらすじ

第 53 話 『緊迫!トリコのナイフ対メルク包丁!』

2012/04/22 放送

脚本:田口智子  演出:角銅博之  作画:北條直明  美術:野村正信 

ひょんな事から小松が愛用していた包丁が折れてしまった! 新しい包丁を作るため、そして謎の食材・メルクの星屑の情報を求めて、トリコと小松は世界最高の研ぎ師・メルクの元へ向かうことに。猛獣たちの襲撃をくぐり抜け、メルクマウンテンの頂上にあるメルクの工房へようやく辿り着いた二人の前に現れたのは、メルクを名乗るまだ年若い美男子であった。噂では豪快な大男と言われていただけに驚くトリコと小松。仕事場へと案内されて、小松は大興奮の様子だ。ものによっては使用に免許が必要なほどのメルク包丁、その切れ味たるや、はずみで棚から落としてしまっただけで、石畳の床に根本まで突き刺さってしまうほどだった。
メルクの包丁の素材になっているのは、いずれも捕獲難易度が高いものばかり。どうやら原料の調達は外注かと判断するトリコだったが、その言葉をメルクは強く否定する。トリコに発言を撤回する気はなく、ならば確かめてみろと包丁を取り出すメルク。そして始まるトリコのナイフ対メルクの包丁! しかし二人の対決は、結果を言えばトリコの圧勝であった。メルクの動きも悪くはないが、やはり四天王の一人が相手とあっては分が悪すぎた。トリコの名を聞いて、その強さに納得するメルク。そしてトリコも問う。お前は一体何者だ? 本物のメルクはドコにいる…と。なんとこの美男子はメルクではなかったのだ。
青年がメルクでないことにトリコは早い段階から気付いていた。メルク工房の入り口、階段など、すべては偽メルクが使うには大きすぎる。そもそもメルクはIGO会長・一龍の古い友人だ。彼のように若いハズがない。トリコの推理に青年は遂に正体を明かす。実は、彼こそはメルクの技の後継者・二代目メルクなのだった。初代メルクは今、砥石の原料になる石を採りに行ってるのだという。様々に合点がいって、トリコらは改めて二代目メルクに来訪の目的を話し始める。まず包丁の発注をお願いすると、二代目は快く引き受けてくれた。とはいえ、予約が詰まっているので完成は約三年後。仕方ない事だが、やはり肩を落としてしまう小松であった。
続いてメルクの星屑について尋ねてみると、なんとそれは、あらゆる物質を研ぐことができる幻の砥石であった。メルクの星屑で研いだときに出る粉末が、どうやら調味料として使えるらしい。らしい、というのは星屑を見つけたのは先代で、二代目はまだ見たことがないためだった。もし星屑があれば最高の包丁を作れるのに。呟く二代目にトリコが提案する。星屑を見つけてきたら真っ先に小松の包丁を作ってくれないか、と。危険すぎると止める二代目。実は先代は、星屑を採りに行ったまま帰って来なくなってしまったのだ。だが危険は百も承知。修行のため、小松のため、トリコはメルクの星屑を求めて採掘場・ヘビーホールへと向かうのだった。

各話あらすじ一覧へ