各話あらすじ

第 109 話 『剛力無双! 食義を極めし者!』

2013/06/16 放送

脚本:村山 功  演出:大嶋博之  作画:爲我井克美  美術:今野慎一 

食林寺での修行を経て、"食義"を身に付けたトリコと小松。最終修行のため珍師範と共に泡の道・バブルウェイへと入ったトリコは、そこで死に瀕しながらも食への感謝を極限まで深め、ついに食義の奥義・食没を会得! 同時に第六の修行食材・シャボンフルーツの捕獲にも成功するのだった。だがその一方で、食林寺は絶体絶命の危機に直面していた。食義を脅威と見た美食會の襲撃を受けたのだ。襲撃者はなんと食林寺の元師範代・千代婆。加えて、小松の友人・大竹…。その圧倒的な暴力の前に、次々と倒れていく食林寺師範代たち。そしてトリコの帰りを待つ小松もまた、大竹の包丁に腹を貫かれるのであった。
しかし奇妙なことに、刺されたはずの小松の腹にはキズ一つ付いていなかった。実は大竹が振るった刃は"蘇生包丁"といい、切れば切るほど甦る、人間界では禁止された闇の技だったのだ。この程度もまだ出来ないのか。大竹は小松を、そして食義をあざ笑う。と、そこへバブルウェイから珍師範が駆けつけた。かつて浅からぬ縁であった千代婆の堕ち果てた姿を見て激怒し、一騎打ちを申し出る珍師範。だが、卑劣にも不意をついてきた千代婆によって、その胸を貫かれてしまう…! 崩壊していく食林寺、傷ついた人々、戦い倒れ伏す師範代たち…。もう何もかも終わりなのか。どうしようもないのか。小松の悲鳴が虚しく響く中…、遂にトリコが到着した!
現れたトリコは、先刻まで生死の境をさまよっていたとは思えないほど、全身に力が満ちていた。奥義・食没を用いてシャボンフルーツを食べたお陰だ。そしてこの惨劇の場を目の前にして、トリコの表情は驚くほど穏やかであった。今までであれば、間違いなくキレていたはずなのに…。これもまた、食義を極めた故である。とは言え、全く怒っていないわけではない。ただ、食義において怒りや動揺は体に無駄な力みを生み、動きを悪くする要因となる。だから、その怒りにも感謝するのだ。泰然自若として見えるのは、その為である。と、そんなトリコに、千代婆が引き連れていた怪物・灰汁獣(あくじゅう)ゴーレムが襲いかかった!
この灰汁獣は凶暴粗野に見えて動きに全く無駄がない、恐ろしく強力な相手だ。実際、食林寺の師範代たちもまるで歯が立たなかった。その灰汁獣に対しトリコが放ったのはたった一発、軽い釘パンチだけであった。だが、その無造作な攻撃には、今までの全力の釘パンチを遙かに凌ぐパワーが秘められていた。その衝撃たるや、幾十連! 灰汁獣の巨体をロストフォレストの彼方まで吹き飛ばし、木っ端微塵に爆散させるほどの超威力! 圧倒的と言うより他にない、新生トリコの頼もしいパワーであった。とはいえ、灰汁獣はしょせん前座。次なる相手はいよいよ本命、珍師範に重傷を負わせた千代婆との対決だ…!

各話あらすじ一覧へ