各話あらすじ

第 108 話 『惨劇! 食林寺の終焉… さらば、小松!!』

2013/06/09 放送

脚本:田口智子  演出:中尾幸彦  作画:舘 直樹  美術:今野慎一 

食林寺での修行を経て、遂に"食義"を習得したトリコと小松。さっそく第六の修行食材・シャボンフルーツを捕獲するべく、トリコは小松を食林寺に残し、珍師範と共に泡の道・バブルウェイを行くことに。しかし、行けども行けどもシャボンフルーツは影も形も見えてこなかった。しかもバブルウェイは名前通り、泡しか存在しない道であった。つまり、水も食料も何もないのだ。その長きに渡る道行きで、どんどん痩せ細っていくトリコ…。やがて体力は低下し、遂には歩くことさえ出来なくなってしまうのだった。だが、トリコは自らの細胞をエネルギーに変える非常手段・オートファジーを発動させ、再び進み始める!
とはいえ、オートファジーはそう長くは保たない。そしてバブルウェイに果てはなかった。程なくして体力も策も尽き、道半ばにて倒れ伏すトリコ。薄れゆく意識の中で死を覚悟し、トリコは今まで一緒に冒険をしてきた仲間に、ずっと無理をさせてきた体に感謝を述べる。そして、血や肉になってくれた全ての食材にも、万謝の念を送るのだった。今にも消え往かんとするトリコの命…。だが次の瞬間、突如としてバブルウェイが輝き始めた。そして、そこかしこからシャボンフルーツが湧き出で始めたではないか! そう、シャボンフルーツは最初からすぐ傍にあったのだ。ただ、トリコの食への感謝が極限まで深まるのをじっと待っていたのである。
目の前に現れたシャボンフルーツを口にするトリコ。その食、その味、その命に、ありがとう。体の一部になってくれて、ありがとう…! いつの間にか、トリコは大粒の涙をこぼしていた。そして同時に、全身に力が戻りつつあった。これぞ、食義の奥義・食没! 食没とは、食前や最中だけでなく、体内に入った食材の動向をも敬い、血肉になった後も感謝し続けることによって成される。そして食没によって摂取された食材は、食べた者にありったけの栄養をそそいでくれるのだ。トリコは遂に、食義の全てを体得したのである。その皆伝を見届け、一足先に食林寺へと戻る珍師範。食林寺が、前代未聞の危機にあることを察知したのだ!
師範の危惧通り、食林寺は今、地獄絵図と化していた。天才料理人にして元・食林寺師範代の千代が、美食會の刺客として暴虐の限りを尽くしているのだ…! 彼女が引き連れるは巨大な怪鳥、そして、様々な猛獣を混合させた人工生物・灰汁獣(あくじゅう)の一種、ゴーレム。その凶悪な力の前には、食林寺の猛者たちも為す術がなかった。そんな未曾有の大惨事の中、小松は千代婆の隣に知った顔を発見する。それは、行方不明になっていた小松の修業時代の仲間、大竹であった。友人の生存に涙する小松。だが、駆け寄った小松に大竹が返したものは笑顔ではなかった。大竹が差し出したモノは包丁…、そしてその凶刃は、深々と小松の腹へと突き刺さる…!

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