各話あらすじ

第 106 話 『感謝あるのみ! 食義の極意!!』

2013/05/26 放送

脚本:村山 功  演出:角銅博之  作画:榎本勝紀  美術:今野慎一 

第六の修行食材・シャボンフルーツを捕獲するべく、食林寺で"食義"を学ぶことになったトリコと小松。修行に先駆けて、二人はまず師範代・シュウと手合わせをすることに。そこでなんと、トリコはバトルで、小松は料理で、シュウが修めた食義の妙技に完敗を喫してしまう。食義とは基本的に、食への礼儀と感謝を深め、メンタルの充足をはかる作法である。だがその深奥には、精神面だけでなく技術面を飛躍的に向上させる効能が秘められていたのだ。改めて食義の威力を思い知ったトリコら。シャボンフルーツを手に入れるため、更なる高みを目指すため、二人の修行が今、始まる!
…と言っても、食義の修行は恐ろしく地味なものであった。早朝は座禅ならぬ食禅で感謝を念じ、昼からは正しい合掌一礼の所作を学び、食事は感謝の気持ちで実を結ぶ食材を用いる…。とにかく感謝、感謝、ひたすら感謝をし続けるといった内容なのだ。もちろん、修行だけあってコレらはどれも容易なことではない。食禅は少しでも雑念が混じると失敗になってしまうし、合掌一礼はフォームを誤ると大怪我をしてしまう。食事に至っては、感謝の念が足りなければ、いつまで経っても食べることが出来ないのだ。しかしながら、それでもやはり地味は地味。今まで生死を賭した荒行を乗り越えてきたトリコにとっては、甲斐無く感じられてしまうのであった。
こんな修行で本当に食義を極めることができるのか? 強くなれるのか…? 心中に珍しく迷いが生じたトリコは、夜中、思わず小松に不安をこぼしてしまう。だがそれに対し小松は、修行が楽しいと答えた。普段であれば、弱い小松はトリコと共に戦うことができない。だが食義の修行なら二人一緒に歩むことが出来る。それが嬉しい、と。そして必ず食義を極め、今度こそシュウに勝とう。そんな小松の思いに励まされるトリコであった。そして修行三日目…。地味な修行を続けていく中で、トリコらに転機が訪れた。食材にたかる虫を追い払うべく、苛立ち紛れに軽く振るったトリコの必殺技・ナイフが、驚くほどの威力を発揮したのだ。
これこそが食義の成果。食への感謝によって向上した集中力が、動作の素早さと正確さを生み、力と技を向上させたのだ。そしてそれはトリコだけでなく、小松も同様であった。シュウに言われ試してみると、以前はほとんど失敗していたフグ鯨への包丁入れが、難なく一瞬で行えるようになっていたのである。地味ながらも、修行は確実にトリコたちを成長させていたのだ。そしてコレはまだ食義の入り口に過ぎないという。もし極められたなら、どれほどの効果となろうか。今までの不安はどこへやら、俄然やる気になって修行に励むトリコであった。…しかしその一方で、不吉な暗雲が食林寺へ向けて刻一刻と迫りつつあった…!

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