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第 103 話 『合掌一礼! 美食人間国宝・珍鎮々登場!!』

2013/05/05 放送

脚本:村山 功  演出:志水淳児  作画:石井ゆみこ  美術:今野慎一 

人間界最大の樹海・ロストフォレストにあるという第六の修行食材。その正確な在りかを知るため、トリコは恵方巻きで占ってもらうことに! そうして占い寿司職人・モンチーの手によって完成した恵方巻きは、果てしなく続く長大なものであった。モンチー曰く、これを食べ進んでいけば修行食材へと行き当たるらしい。トリコと小松は礼を述べ、さっそく手を合わせて、いただきます! 恵方巻きを食べながら町を越え、草原を越え、砂漠を越え…、そして遂にロストフォレストへと辿り着くのだった。一度迷い込んだら二度と出られないこの森も、恵方巻きがある限り恐れる必要はない。目指す修行食材は、シャボン玉のような果実・シャボンフルーツ!
…と思いきや、なんと恵方巻きは森の途中で途切れてしまっていた。辺り一帯の樹海もろとも、まるでえぐり取られたかのように無くなってしまっていたのだ。と、その時、わずかに残った恵方巻きを持ち去ろうとしている不審者を発見。慌てて追いかけるトリコら。すると、その目の前に突如として一件の料理屋が現れた。その名も、雲隠れ割烹。三つ星ならぬ十星を誇る伝説の料亭だ。これを素通りするワケにはいかない。盗人を追うのは後回しにして、トリコは立ち寄ることに決めるのだった。だが扉を開けた瞬間、店はこつぜんと消えしまった! 呆然とする二人であったが、その耳にどこからともなく声が聞こえてきた。「合掌、そして一礼」と…。
再び現れた雲隠れ割烹を前に、戸惑いながらも声に従ってみると、今度はきちんと店に入ることが出来た。そして従業員を見て、トリコらは驚く。なんと先ほどの盗人ではないか。従業員の弁解によると、恵方巻きは既にバラバラになっていて、それを少し分けて貰っただけだという。どうやら樹海をくりぬいたのは別人のようだ。ともかく、修行食材・シャボンフルーツへの道しるべは失われてしまった…。だが、それについては料理長の千流(ちる)が知っていた。シャボンフルーツは、かつてはこの雲隠れ割烹でも扱っていた、最も繊細だと言われる食材の一つ。そして、樹海の奥にある"食林寺"、その寺宝なのだ。
新たな手がかりを得て、トリコらは一安心。これで心置きなく食事を楽しむことができるというもの。だが、繊細で知られる雲隠れ割烹の料理は、食べること自体が非常に困難であった。少しでも揺らすと旨味が逃げてしまったり、まばたきするだけで味が劣化してしまったり…。いわゆる特殊"賞味"食材なのだ。結局、トリコらがきちんと口にできた皿はごく僅かであった。落胆するトリコらだったが、その隣で、粗暴な食べ方ながらも全ての料理を完食する一人の老人の姿があった。その声は、店の入り口でトリコらにヒントをくれたものと同じ…。この老人こそ、食林寺の師範にして美食人間国宝のひとり。珍鎮々(ちん・ちんちん)その人であった!

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