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第 38 話 『 アイドル誕生 日向咲!ってマジ!? 』 2006/10/29
脚本 山下憲一  演出 岩井隆央    作画 高橋任治    美術 行信三 
ついに咲が芸能界デビュー!? 舞たちと共にドラマ撮影の見学に訪れた咲は、そこで事務所の社長にスカウトされた。きっかけは、ムープとフープが隠れていたバックを落としてしまった事。その様子を偶然見ていた社長が、「…かわいい」とピンと閃いたのである。「よかったら、今度ウチの事務所に来てくれない?」…名刺まで渡され、信じられない咲。さらにその情報は、彼女が考えるより早く、街の隅々にまで伝わっていった。特に両親と妹などは、すでに店を訪れたお客さんからその事を聞き、撮影場所から帰ってきた咲を驚かせる。
咲が芸能人になったら、彼女はこの街を出なければならないだろう…。それは舞とも離れ離れになる事を意味しており、プリキュアに変身できなくなるという事実が、フラッピやムープ、フープを不安にさせた。もちろん心配なのは舞とチョッピも同じ。咲はいったい、どんな決断を下すのか? やはり芸能人になる? それとも…。舞は咲と相談するつもりでいるようだが…。そんな中、咲の周辺では騒ぎが拡大し始めていた。学校に行ってはサイン攻め。咲自身、その騒動から逃げることしかできず、ただ社長にどう答えるか迷うばかり…。
咲が目指すとしたら、どのようなジャンルになるのか? アイドル…女優…アナウンサー…同級生たちも、スポットライトを浴びて活躍する彼女の姿を想像し、応援するやら茶化すやら…。結局、舞はそんな騒動の中で何も相談できず、不安をさらに募らせる。「もしも咲の気持ちが決まっていたら、私たちが止めちゃいけないと思うの…。大切な友だちだから、咲の決意を笑顔で送り出してやらなきゃ」…不意に舞はチョッピにそう話す。プリキュアとしての戦いは大切。咲とも離れたくない。でも、彼女の幸せを考えるなら…。
「その答えなら、もう出てるよ」…舞との帰り道、咲は寂しそうにしていた彼女に切り出した。そこへ襲い掛かってくるキントレスキー。彼もまた咲がこの街を出て行くと知り、止めようと現れたのである。戦う事で彼女たちを鍛え、いずれ互角になったら本気で戦う…。彼なりにそう考えていたからだ。しかし咲には、この街を出て行くつもりなどなかった。悩んでいたのは、どう断ろうかを考えていたため。だが実際、スカウトをかけられていたのは…何とムープとフープ!! 撮影の小道具に使いたい…社長は咲にそうお願いしたつもりだったのである。