マリカ

不思議な街・ガリハバラに迷い込んだ女子中学生。ゴスロリファッションに身を包んだマリカは科学の話を聞いただけで眠くなります。しかし、ガリハバラは世界的な学者が今も生きて暮らしている街。魅力的でちょっと風変わりな科学者と触れ合い、マリカは少しずつガリハバラとガリハバラの住人になじんでいくのでした。 ガリハバラに来たばかりの頃、マリカの唯一の友達はいつも抱いている“ペット”だけ。けれど、オヤジ科学者のガリレオの温かくもしつこい指導を受け、だんだんと学者たちにも心を開いていきます。マリカは科学を少しずつに好きになるだけではなく、クールで無口な性格にも変化が。マリカの世話をしてくれるキュリー夫人をはじめ、周りの人たちと交流を深めていくと、好奇心も旺盛になり“友達”と呼べる仲間が増えていったのです。やがてマリカは、苦手な科学が好きになるのでしょうか?
ガリレオ
青年時代のガリレオは革命家と呼ばれていました。天動説を説く大きな組織と戦っていたからです。どんなに強い圧力を感じようとも、地動説を証明するために戦った男。オヤジになった今でも胸に「地動説」と書いてある肌着を着ているのは、熱い魂を忘れていないから。なんだかヒマそうに見えますが、実はガリハバラの高台にある天文台で忙しく働いています。ガリハバラの街の名もガリレオの名から付けられたものでした。キュリー夫人のペンションに住んでいるガリレオの部屋はマリカの部屋のすぐ下にあります。移動の手段は、自分で発明した万能ボード。何しろ、探求心が旺盛で、気になったことならどんなことでも首を突っ込みます。 ガリレオは、マリカに知識を授け、たくさんの科学者を紹介して科学の世界へ導こうとしていますが、女子中学生を納得させるのは「天動説派」と戦うより難しいと感じています。 嫌いなものは、マリカの“ペット”。“ペット”もガリレイが嫌いなようです。
ペット
マリカが自分で縫ったぬいぐるみ。お裁縫が下手なマリカの手作りなので顔の真ん中に縫い目があるんです。マリカが自分の黒いドレスを縫ったとき、余った生地でこのぬいぐるみを作りました。マリカの服装と同じ色なので、抱かれているときに小さな目だけが光って見えるのです。 手作りなので少し不格好ですが、ガリハバラの街に近づいた途端、命が宿り動くようになりました。自由に動けるようになったペットは、マリカが目をそらした隙にガリレオをいじめています。口がないのでおしゃべりはしません。でも、表情は目と耳の動きで分かります。マリカが何のぬいぐるみを作りたかったのか不明。ネコでも、イヌでも、ウサギでもなさそう。なので、名前もただの「ペット」です。
キュリー夫人
ガリハバラの街でペンションとコーヒーショップを経営している貴夫人。マリカは世話をしてくれることになったキュリー夫人のペンションで暮らすことになりました。ガリレオはずいぶん前から夫人のペンションの住人です。実は、キュリー夫人、発見したラジウムを使って、ガリハバラの郊外にラジウム温泉(スパ)も経営しているので、ちょっとしたお金持ちになりました。美しく知的で、紅茶を愛するキュリー夫人は、ガリハバラの科学者たちのマドンナ的存在。しかし、くだらないことを言って怒らせると、素晴らしい身体能力を駆使して恐ろしい技を見せます。特にガリレオが「きゅうり婦人」と間違えて呼んだときに繰り出されるキックの激しいこと……。しかし、普段は心優しいマリカのお母さん的存在。ガリハバラに移り住んだマリカをいつも見守っています。
ニュートン
ガリハバラでリンゴ売りをしているニュートン。ニュートンのリンゴへの愛情は不滅です。ニュートンは赤く丸いリンゴをいつも手に持って、じっと眺めています。ハンサムで長身、ロングヘアーのニュートンがポーズを決めると、多くの女性は見とれてしまします。マリカも、ニュートンとはじめて出会ったときには目がハートになりました。しかし、外見と中身は別。万有引力を発見した有能な科学者は、自分が「万有魅力」を持っていると勘違いしています。鼻持ちならないナルシストのニュートンは、いつも女性たちから追いかけられていますが、いまだにリンゴ以外には興味がないようです。ちょっと変わった女子中学生、マリカとはどうやら気が合うようです。
ヘルツ
ヘルツは人気のラーメン店を経営しています。電波の研究をしていたヘルツはある特殊な機械を作り、電波を麺に変えられる方法を見つけたのでした。彼の電波麺はガリハバラの名物になり、特にメガヘルツ麺は大人気となっています。この麺を食べると、二度とその味が忘れられず、誰もがリピーターとなって店へ通うのだそうです。確かに、ヘルツの店の前にはいつも行列が。 オールバックに学ラン姿のヘルツは、一見ちょっと恐いお兄さんに見えます。しかし、本当は生真面目で心優しい青年です。マリカはヘルツをちっとも怖いとは思いません。美味しいラーメンを食べながら、ヘルツから様々なことを学び、知らず知らずのうちに電波通になっていくのでした。
アルキメデス
おでん屋「しらくさ」を経営しているアルキメデス。「しらくさ」は、見た目にはギリシャ神殿のようですが、のれんをくぐると純和風。冬場にはいつも満席でなかなか予約が取れない人気店です。ガリレオもここのおでんが大好物で、いつもひとりで食べに来ています。おでんのたね、大根やチクワやハンペンやこんにゃくをだし汁に入れると、だし汁の量が増えますよね……。それを見たアルキメデスは、水中の物体はその物体がおしのけた水の質量だけ軽くなる、という原理を発見しました。サングラスをかけ、渋く決めているアルキメデスは、大発見をするとクリスチアーノ・ロナウドのように服を脱いで街中を走り回る癖があります。その時、思わず生まれ故郷の言葉で「エウレカ!(ギリシャ語で「分かった」という意味)」と叫んでしまうのです。
フレミング
「左手の法則」で有名なフレミングは、エジソンの電気屋でアルバイトしています。しかし、夜になると屋台を引いて街を歩き回ります。その屋台はなんと「DJ屋台」。フレミングがレコードを回しはじめると、屋台の周囲が一瞬にしてクラブに様変わりし、ダンス好きが大勢集います。ラッパーとして成功したいと思っているフレミングは、MC JFと名乗り、いつも「Yo,Yo!」と合いの手を入れながら話しています。「ラブコイル」でCDデビューもしていますが、なかなかメジャーなクラブからは声がかかりません。地元のロンドンでは少しは知られていましたが、ガリハバラでの人気はまだまだです。 アルキメデスとは無二の親友で、時間があるといつも二人でチェスを楽しんでいます。
ダビンチ
ガリレオが唯一恐れる大先輩。ダビンチじいさんは、ガリハバラでは便利屋として知られています。スピーカがついている軽トラックで街中を走り、看板を書いたり、設計図を引いたり、壊れたおもちゃを修理したり、どんな仕事でも受けています。働き者ですが、仕事の途中でアイディアが閃くと、仕事を投げ出し自宅へ戻って研究を始めてしまいます。ガリレオはダビンチを尊敬しながら、実は猛烈にライバル心を燃やしています。ダビンチは学問だけでなく、素晴らしい絵も描けるので、キュリー夫人を始め、ポートレートを描いては女性たちの心を奪っているからです。でも、外見には一切気を遣わない質で、髪も髭ももじゃもじゃです。動きやすいツナギの作業服がトレードマークです。
エジソン
ガリハバラで電気屋を経営しているエジソン君。彼はまだ半ズボンが似合う小学生です。可愛らしい表情からは想像が付かないほど、彼の経営能力はずば抜けています。ガリハバラに来れば、店先で電卓を叩くエジソンの姿をすぐに見られるでしょう。M&Aにも積極的で、すでにいくつの店を買収し会社を大きくしているのでした。夢は、もっとお金持ちになること。発明にも多くの時間を割きますが、経済観念に長け、資産運用にも詳しいとガリハバラでも有名です。ときどき店番もしますが、そのときにはやたら熱を込め、蓄音機、電話、そして白熱電球を売りまくっています。
ダーウィン
ガリハバラの学者の中では最も不思議な人。と、言うよりも「不思議なもの」と言った方がいいでしょう。生物の進化を研究し続けてきたダーウィンは、自らが進化しすぎて、なんとロボットになってしまったのです。見た目は完全なるロボットですが、なぜか「お姉言葉」を話します。ダーウィンが経営しているのはペットショップですが、このお店のペットもすべてロボットなのです。 ロボットですが、進化した体には人間の魂が宿っています。人類の未来を見せてくれるダーウィンは、ガリハバラを自転車で走り回り、生き物の素晴らしさを伝えているのでした。
