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第 32 話

薔薇十字館殺人事件 ファイル1

2015/11/14

  • 脚本:冨岡 淳広
  • 演出:今村 隆寛
  • 作画:鰐淵 和彦
  • 美術:桐本 裕美子

全ては地獄の傀儡師・高遠遙一のもとに届いた一通の招待状から始まった。
青い薔薇が添えられた、ローゼンクロイツと名乗る謎の人物からの手紙。そこに記されていたのは、高遠自身も知らなかった異母妹の存在を匂わせる一文と、異母妹の命が惜しければ、薔薇十字館で開かれる世界初の青薔薇の発表会に参加するようにとの衝撃的な内容だった。突然、突きつけられた挑戦状を前に、高遠が取った行動。それは宿敵ともいうべきはじめに協力を持ちかけることだった。
 
ローゼンクロイツを見つけ出すまで、異母妹を守って欲しい。
仮に、異母妹の無事が確認されたあかつきには、警察に出頭しよう。
 
数日後、薔薇十字館に向かう車の中には、高遠とともに、はじめと美雪の姿があった。警戒心は強い。しかし、はじめは高遠を信用し、提案に乗ることにしたのだった。美雪もまたそんなはじめが心配となり、同行していた。
世話人の毛利御門の案内され、はじめたちがくぐった薔薇のアーチが開け、見えてきたもの。青薔薇の発表会の舞台、薔薇十字館はひっそりと佇んでいた。
館内へと足を踏み入れたはじめたち。そこには高遠と同じく、ローゼンクロイツに招待されたという薔薇愛好家が集まったいた。写真家の佐久羅京、バイオ・フェス社長の祭沢一心、プリザーブドフラワーアーティストの冬野八重姫、花詠みの歌人の月読ジゼル、薔薇園経営の小金井睦、繊物師の禅田みるく。そして、不動高校生物教諭の白樹紅音。白樹は、先日授業ではじめたちに青い薔薇はまだ作られてないと教えた人物だった。
夜、夕食をとるため、ダイニングルームに集まってくる招待客たち。用意された皿は、クロッシュで蓋がされ、黒薔薇(黒く染めた蓮花:薔薇の品種)と深いピンク色の蕾(美咲:薔薇の品種)が接ぎ木が添えられていた。毛利の祈りが終わり、皆がクロッシュを取った時だった。突然、黒薔薇が爆発したかのように無数に弾け飛ぶ。そして次の瞬間、テーブルの上に現れたもの。それは黒薔薇に覆われ、絶命したある人物の姿だった。

    

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