静香のワープロにあった文の、各行の3つある言葉が歌詞に使われている曲目のを、CDの歌詞カードの中から探してみると、次のようになります。
・最初の2行 「君を守りたいから」 ・次の1行 「bye bye my blues」 ・次の2行 「君がいるから・・」 ・最後の3行 「言葉にならない」 歌詞カードの上で,それらの言葉の中で傍点のある文字をワープロの文字にあった順序どおりに線でつないでいくと、それぞれアルファベットの「K」「I」「D」「A」(キダ)と言う形になります。 しかし、ワープロに残された文の中で2行目だけが5・7・5という字数の組み合わせになっていません。これは不自然です。 短歌や俳句に興味のある千堂静香は、全ての行を読んだときに5・7・5の17文字に構成していたのですが、犯人はそこまで気づかず文に手を加えていたのです。 そこで、犯人が加えたと考えられる、不自然な2行目にあたる部分だけを削除してみます。すると今度は「I」「I」「D」「A」(イイダ)となります。これこそが静香の残したかった名前であり、犯人は井伊田綾奈だったのである。 井伊田は静香と美雪の電話のやりとりを聞き、また犯行後に、ワープロにあった暗号メッセージを解明してしまったのです。 そこで、自分ではなく木田に容疑がかかるよう、ワープロの文に1行加えて「IIDA」を「KIDA」と読めるようにしておいたのです。 井伊田は、そのころも被害者と同じ職場におり、女同士ということもあって静香の鍵を盗むチャンスが十分にあったし、木田と被害者がどういう関係かも知っていたのです。 |