特別企画
「墓場鬼太郎」貸本漫画復刻版(角川文庫)
「墓場鬼太郎」貸本漫画復刻版(角川文庫)

現在では復刊している「墓場鬼太郎」だが、戦後の経済が不安定な時代に貸本として生まれた作品であった。その頃、市民の収入も乏しく、経済的にも苦しい人々の娯楽として貸本屋があった。水木しげるをはじめ、手塚治虫など多くの大物漫画家が活躍したのもこの時代であった。

では、貸本とは一体なんであろうか?貸本とは、当時の値段で一冊10円(1日〜3日)で客に本を貸し出すサービスで、現在のレンタルショップやマンガ喫茶の原型とも言え、比較的安価に読書を楽しむことができた。

昭和30年頃、以降3〜4年間は貸本全盛期と呼ばれ、貸本を専門に扱う出版者も登場するほどであった。また貸本屋の種類には、1冊5円位で借り出して、その場で読む図書館方式と1日10円で1日増すごとに5円の追加料金をとる持ち出し式があり、駄菓子屋やおもおちゃ屋との兼業で経営していることも多かったようだ。

戦後に広まった貸し出し方法として特徴的なのは、身分証明書・学生証・米穀通帳など本人の居住地を確認できるものさえあれば信用貸しを行っていたことである。今ではあまり考えられないことではないだろうか…。

ちなみに、貸本には発行年月日を記載していなかったという。
そんな中、「墓場鬼太郎」が初めて出版されたのは昭和35年(1960年)で、「幽霊一家」という作品であった。

貸本が一冊一日あたり約10円で貸し出していた時代、果たしてどのぐらいの金銭感覚だったのか、ほかの物価を現代と比べてみると…

◆ あんぱん
12円 (1956年) 87円 (2007年)  
◆ コーヒー (喫茶店)
50円 (1955年) 445円 (2007年)  
◆ 日雇労働者賃金 (1日)
433円 (1957円) 11,710円 (1993年)  
◆ 新聞購読料 (1ヶ月)
390円 (1959年) 3,925円 (2007年) ※全国紙
◆ 週刊誌
40円 (1961年) 320円 (2007年)  
◆ 電話 (住宅用)
770円 (1963年) 1,785円 (2007年) ※回線使用料
◆ レコード ※1955年EP盤、2007年CDアルバム
300円 (1955年) 3,059円 (2007年)  
◆ 下宿 (1ヶ月)
6,000円 (1956年) 70,000円 (1995年) ※六畳

・「戦後値段史年表」 (1995年 朝日文庫) より
・総務省 統計局 小売物価統計調査 より
・厚生労働省 統計表データベース より


ねずみ男がアンパンを買っている(オープニング)

ねずみ男がアンパンを買っている(オープニング)

居酒屋にて(第3話) 鬼太郎が小遣いをもらう(第3話)
  居酒屋にて(第3話) 鬼太郎が小遣いをもらう(第3話)

…であったという。現代の物価と比較すると、およそ10分の1程度の値段だったようだ。
アニメ作品内でも様々なお金に関するシーンが登場するので、注意してみてみると、より一層面白いのではないだろうか。

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