第 28 話 『 レギーネ登場!ってもう来ないで! 』 2004/08/15
脚本  羽原大介 演出  西尾大介 作画監督  はっとりますみ 美術監督  行 信三/下川忠海
夏休み真っ最中のなぎさとほのか。ほのかの家で宿題に取り込むが、なぎさは暑さでバテ気味…。そんな二人をよそに元気に遊びまわるメップル達。鬼ごっこやだるまさんが転んだではしゃぎ回り、なぎさの怒りを買うが…「目覚めるポポ。赤い柱、危ないポポ」突然暗示にかかった様に呟くポルン。以前と同様、新たな敵の予言では…と訝しがると同時に、いつまで続くか分からない戦いに落ち込むなぎさ。自分達の力だけで、全てを守り切れるのか。自信が無くて不安になる。しかし、いくら考えても戦うしかない。ほのかが呟く。「私だってなぎさがいてくれなきゃバラバラになっちゃいそうなほど不安なのよ…」
ポルンの予言は当たっていた。日差しの当たらない公園の影で、ひっそりと芽吹く種。第二の使者・レギーネはぼんやりと彷徨い歩く。賑やかな公園を抜け、ショーウィンドウの前で立ち止まる。頭の片隅に残る記憶…消滅するドツクゾーンと、二人の少女の姿。あの二人は、何だったか。何かに導かれる様にフラフラと車道を抜けるレギーネには何の障害も無い。車はいつの間にか、どこからともなく現れた黒服の男達によって止められている。潰れた車、意識の無い運転手。騒然とする車道を一歩一歩進む。自分には関係ない。行かなくては。今は、自分を呼ぶ何かの元へ、行かなくては。
「どうしたんですか、二人とも顔色が悪いですよ?」穏やかに微笑むさなえ。「大丈夫です、今の私達にはどうにもならない事だし…」思わず本音がこぼれるなぎさ。唇をかみしめる。考えてもどうしようも無い。「どうしようも無いと思うから、どうしようもなくなっちゃうんじゃないかしら」さなえの言葉に顔を上げる。昔、自分が戦争で焼け野原になった町を見下ろした絶望感。「希望を忘れちゃダメ」その時握り締めたコミューンから聞こえた声に、気持ちを奮い立たせたという。諦めないで、いつだって絶望と希望は背中合わせにある。顔を上げるなぎさとほのか。その瞳には、確かに希望の光が宿っている。「希望を失わなければ明日はきっといい日になりますよ」
さなえの思い出の丘に向かう二人。しかし、そこには立ちはだかる黒服の男達とレギーネが。変身した二人を無視し、町の下に這う溶岩の筋を見つめるレギーネ。その鮮やかな赤に、とうとう覚醒する!レギーネは火山に向かい、その力で火柱を上げる。プリキュアの前にはいつの間にか無数のザケンナーが。「いい加減にして!私だって焦ってるのよ…こんなことしてたら、チョコタルトが売り切れちゃうじゃない!」「そっちなの!?」立ち向かうしかない、大丈夫。諦めなければ明日はいい日になる。消えていく敵の向こうに、広がる町を見下ろす。希望は無くさない。だって、私達はプリキュアだから!!
 
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