エア・ギア 制作スタッフインタビュー


CHECK IT ザ・トリックパース!

亀垣 一監督とキャラクターデザインを手がけた佐藤雅将氏が語る『エア・ギア』の注目ポイント。
ファンならこのトリックパースを見逃すな!

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VOL.03
  監督 亀垣 一
キャラクターデザイン 佐藤雅将
PhotoQ:ズバリ『エア・ギア』の魅力はどこにあると思いますか?

亀垣:エア・トレックという競技から見ると、5対5のチームバトルの面白さ、キャラ配置の巧さは大きいと思います。お気に入りのキャラについても話しましたが、イッキたちのチーム・小烏丸にオニギリとブッチャがいますよね。普通彼らのようなキャラは、ストーリーが進むと「オミソ」で終わる場合が多いじゃないですか。でも『エア・ギア』は、特に原作漫画で描かれているバトルには、彼らにちゃんと見せ場が用意してある。アニメ放映分でもチーム・ベヒーモス戦のエピソードで触れると思うんですが、そういう仕掛けがやっぱりすごいですね。

佐藤:こういうキャラ配置のおかげでカズの初陣を描いた12話は盛りあがりました。本来エア・トレックの究極的な姿勢って、陸上の短距離走のロケットスタートじゃないですけど、あそこまで極端に体を倒すカズの前傾姿勢だと思っているんですよ。荷重をかけることでホイールから駆動力が発生する、より大きな荷重をかけるとスピードも増すっていうエア・トレックの仕組みですね。それを体現したカズを描けたことで、結構満足してます。

亀垣:それからリンゴたち野山野姉妹は、まだ“作ってる”感があるので素の魅力を出してあげたい。特に長女のリカは絡ませ方が難しいんだけど、もう少し活躍させてあげたいですね。あとシラウメの本気って何? というのも描きたい。序盤のバトルや14話・15話あたりの空たちとのゲームもあるけど、そうじゃなくて、彼女たち姉妹の本気とか息の合った連携がどんなものかって気になるんですよ。それは本当にすごいと思うので、見てみたいですね。

Photo Q:オープニング・エンディングの演出意図について教えてください。

亀垣:アニメのオープニング・エンディングというのは、作品のパイロット版とかプロモーション映像の意味あいもあると思います。でも『エア・ギア』では、その“お約束”をひっくり返したいという気持ちがあったんですよ。オープニングは派手な動きを見せるとか、エンディングというとカチっとした静止画でキャラをそろえて見せるとかですね(笑)。それを除いても、『エア・ギア』は本編でエア・トレックのアクションに重きを置いているので、オープニング・エンディングでは競技の舞台になる“街”を見せるという意図がありました。それでオープニングは、カメラを引いた構図を中心に、イッキたちがストリートという舞台へ集まってくるようにしました。エンディングも同じく街がテーマになってます。イッキやリンゴたちの住む東雲町は、原作にもモデルになった土地があるんですが、エア・トレックにあつらえたかのように坂道が多いんです。それならいっそ、そういう場所を走らせようということで。坂道や階段が続く情景を実写カメラで撮って、そのムービーを早回しで使おうとなって、現在のエンディングになったんです。これは「少年マガジン」誌上でクイズにしたんですが、八王子ならうまく撮影できるだろうと思ってずいぶん早朝に撮影したのに、必ず誰かがフレームに入ってしまう(笑)。うまくズラしながら撮ってもらったつもりだけど、ちょっと不自然に歩く人がいて、早回しするからすぐバレる。でもまぁ、そこがまたいいかなと(笑)。

Q:エンディングのラストカットのエムブレムは何種類か準備すればよかったですね。

亀垣:バトルコールってことで、上貼りしたりしてね(笑)。