エア・ギア 制作スタッフインタビュー


CHECK IT ザ・トリックパース!

亀垣 一監督とキャラクターデザインを手がけた佐藤雅将氏が語る『エア・ギア』の注目ポイント。
ファンならこのトリックパースを見逃すな!

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VOL.01
  監督 亀垣 一
キャラクターデザイン 佐藤雅将
PhotoQ:『エア・ギア』の原作をご覧になった印象からお願いします。

亀垣:大暮維人さんの原作は作品としては知っていたけれど、きちんと読み込んだのはスタッフとして参加することになってからです。漫画としての絵の密度やクオリティの高さにビックリしました。まず頭に浮かんだのが「これ動かすの?たいへんそう!」ですね(笑)。最初はやはりエア・トレックというの競技の迫力に注目しました。スピード勝負の部分や、アクションシーンの描き方など漫画のコマを見て、「このシーンに動きがついたら面白そうだ」といった感覚です。序盤では、逆にそこにとらわれて苦労することになりました。エピソードを追うごとに、エア・トレックそのものよりもプレイヤーを描くことに移行して、キャラの掘りさげができるようになった。そのおかげで現在では、『エア・ギア』という作品の新たな魅力を発見できたかなと思います。

佐藤:僕も大暮維人さんの原作に触れたのは、亀垣監督と同じような状況なんですが、漫画を読んだ後に感じた印象は、キャラクターの再現度の難しさでした。キャラデザイナーとしては、やはり一番イイ“顔”を描きたいと思うので、原作のカットやキャラ表を何度も参考にするんですが、顔の造形や表情のつけ方などで「何かが違う?」と感じてしまう。正直な話、当初はこの仕事を受けてちょっぴり後悔しそうになりました(笑)。なかでも序盤でキャラの描き分けに苦労したのはシムカ。敵か味方かわからない、といった微妙な立ち位置だったうえに心情描写の掘りさげが加わると、初登場時とそれ以降で別モノなんですよ。それからカズなんかもエア・トレックのバトルに加わるようになってグッと印象が変わったキャラですね。

Photo亀垣:あと僕が気に入っているのは、オニギリとブッチャの二人。普通こういったアクション中心の作品だと、彼らのようなキャラはギャグ担当というか、ストーリーの本筋から置いていかれるタイプだと思うんですよ。でもそうじゃなくて、ちゃんと見せ場もあり、単なる太っちょキャラとは一線を画しているあたりが『エア・ギア』は面白いですね。