第 97 話 2005/03/06 異世界の覇者! 復讐に牙むくマエストロ

脚本
大和屋暁
演出
西沢信孝
作画監督
信実節子
美術監督
渡辺佳人

ついに念願叶い、魔界に通じる扉をこじ開けることに成功したマエストロ。完全に解放されたその時は、狭間の世界に落とされた魔物一同で魔界に攻め込むつもりらしい。自分たちが利用されていた事に気付いたガッシュやブラゴたちだが、彼らはすでに戦いの後で心の力すら残っていない様子。そんな中、マエストロは思わずつぶやく。「貴様などには解るまい。この私が魔界から受けた仕打ちなど…」…どうやら訳アリの過去を抱いているようだが…!? そしてそれが今のマエストロの行動原理をすべて支配していたのである。

「人間界に送り込まれた魔物は、つくづく甘い」…魔物の王を目指すという本来の目的を訴えるガッシュを、マエストロはバッサリと斬り捨てた。彼は本を持つ魔物でありながら、魔界に攻め込むことにこだわり続ける。そして一斉に踊りかかるガッシュとブラゴを、たったひとりで迎え討った。磁力系の術を使うマエストロは、ガッシュやブラゴがどんな強力な術を繰り出そうと、それを磁力のシールドでいとも容易く跳ね返す。しかも一度放った術を自由自在に曲げるなど、思いがけない能力を発揮した。どうやら彼の術は、周囲に設置されたコイルで術のパワーを増幅しているようで、それがある限りガッシュたちに勝機はなさそう…。

「まだ終わらないわ!!」…追い詰められていたガッシュたちに、思わぬ援軍が現れた。ブラゴに素っ気なく扱われ、パートナーから外されたかに思われたシェリーだ!! ブラゴが彼女を部屋に残したのは、マエストロの真意が不明な状況で彼女の心の力を温存させようという意図があったのである。それは今まさに功を奏し、消耗し切った一同の中でシェリーだけが満足に戦える状態にあったのだ。しかも人間と魔物のコンビ攻撃は、清麿とガッシュと同様に息の合った波状攻撃を繰り出してくる。それはパートナーを否定するマエストロを追い詰めるかに見えた…!!

シェリーを得たブラゴだが、磁気シールドは予想以上に厄介な存在であることに代わりはない。それは最大の術でも同じ事で、コイルによって増幅されたシールドの前にあっけなく弾かれるのみ…。そこで清麿は決意する「あんたたちの協力が必要だ」…それはこれまで最大のライバルとして反目しあった、ブラゴ&シェリーとの共同戦線を意味していた。むろんシェリーたちは乗り気ではないし、友だちのマジロウをブラゴたちに倒されたガッシュも納得できることではない。しかし必死で訴えかける清麿の姿に、ガッシュもブラゴもシェリーも一時的な共闘を了解した。 「遅れるでないぞ、ブラゴ」 「フン、そっちこそな」