第 92 話 2005/01/30 我が心のキッド ナゾナゾ博士新たなる誓い

脚本
まさきひろ
演出
西沢信孝
作画監督
八島善孝
美術監督
渡辺佳人

遺跡での戦いが終結した後、ナゾナゾ博士と再会の約束をしていたフォルゴレとキャンチョメは、ライブステージが終わると共にさっそくアメリカへと旅立った。しかし戦いでパートナーのキッドを失っていたナゾナゾ博士は、屋敷の人間にすら心を開かずずっと沈んだまま…。すっかり瞳の輝きを失い、キッドとの思い出ばかりに浸っていた。彼の異変を気遣ったフォルゴレとキャンチョメは、屋敷の人間たちに懇願されて何とか元気を取り戻してもらおうとするのだが、フォルゴレの「スペシャル芸」くらいではどうにもならない。

フォルゴレが考えたのは、キャンチョメがキッドに変身するというものだった。バレるのではないか…最初はオドオドしていたキャンチョメだが、博士が思いのほか喜んだため「一時的に戻ってきた」と説明してキッドを演じ続ける。そんな彼に思い出話をして聞かせる博士。最初は恵やティオと戦った時のこと…。あの時は千年前の魔物と戦うための戦力を集めようと、世界中を飛び回っていた。しかし強い魔物を求めてどんなに歩き回っても、誰も共に戦ってくれようとはしない。皆「協調」「協力」「友情」という言葉すら失ってしまっていたのである。

ゾフィス率いる千年前の魔物の軍勢を目の当たりにしたキッドは、ナゾナゾ博士の揺るぎない決意に疑問を持ってしまった。しかし博士は希望を持つことの大切さを心に刻んでいて、キッドが「もう協力しない」とヘソを曲げてしまっても仲間を探し続ける。それによってゾフィスの刺客に襲撃されるものの、博士に「このまま絶望に押しつぶされて千年前の魔物に屈したら、キッドの好きな魔界もタダでは済まなくなる」…と励まされて、怯えていたキッドはようやく希望を信じて戦うことの尊さを知るのだった。

「そろそろ魔界に戻る時間じゃないかね」…ひとしきり思い出を語った博士は、自分の傍にいるキッドがキャンチョメの変身した姿と知りつつ何も言わずに別れた。思い出を語ることで、ようやく気持ちの整理がついたのである。活力を取り戻した博士は、日本から送られてきたガッシュからのプレゼントを手に、次なる仕事に取り掛かった。新たに蠢く不穏な空気…。それは既に魔界だけの問題ではなく、人間界をも巻き込む重大事件に発展する可能性があるらしい。果たして、博士が調査を進めるものとは…!?