第 85 話 2004/12/05 迷えるシェリー 断ち切れぬ絆!

脚本
大和屋暁
演出
貝澤幸男
作画監督
八島善孝
美術監督
渡辺佳人

ゾフィスと戦っていたシェリー&ブラゴの前に、ついに姿を現すココ。心を操られたのではなく、あくまで自分の意志でゾフィスのパートナーになったと不敵な笑みを浮かべる彼女は、もはやかつての優しい面影はなかった。そして月と太陽の独特の模様を刻んだイヤリング、そして毒々しい衣装すら自ら選んだと言い放つと、「今の私が本当の私なのよ!」と容赦なくシェリーたちを攻撃する。それはシェリーの心を乱し、『心の力』を失わせようとするゾフィスの罠のように思われたのだが…!?

厳しい母にきつく叱られ、死んでしまおうとすら思った幼いシェリーを助けてくれたココ・・・。生きる希望を与え、必死に励ましてくれたココ…。いつも一緒にいてくれた懐かしい日々をシェリーが思い出す一方、ココは彼女を冷たく突き放す。貧しい自分同様、惨めな生き方を強いられたシェリーを一時は哀れに思ったものの、彼女には財力と優れた能力があって身分の差を思い知らされるばかり…。だから表向きは笑顔を向けつつ、本心ではシェリーを憎んだのだ…と。そして最後のダメ押しとばかりにある残酷な告白をする・・・。

シェリーが両親から見放されるきっかけとなった事件。それはシェリー10歳の誕生パーティでの出来事だった。何者かが屋敷に侵入し、家宝の首飾りが盗まれたのだ。現場にはシェリーのハンカチが残されているだけ・・・。それはシェリーが起こしたものと決め付けられたばかりか、事件を否定したためにウソツキ呼ばわりまでされ、結果何年にも及ぶ辛い時期を過ごさなければならなかった…。その事件の犯人こそ自分・・・そう告げ、家宝の首飾りを掲げるココ。突きつけられた言葉に、ついにシェリーの心は折れてしまう。

心の力を失ったシェリーは魔法が使えなくなったばかりか、すっかり戦意喪失状態。ブラゴはそんな彼女を見捨て、腕力だけでゾフィスに対抗しようとする。だが徒手空拳だけではどうにもならず、ダメージだけが身体に刻まれるだけだった…。そんな中、シェリーはココがくれた魔除けの指輪を見て思い出していた。それはココが「苦しい時や助けて欲しい時につければいい」と言ってくれたもの。そして同じ魔除けが刻まれた耳飾りをココもまたしていたことにも気づく…。それはまさに、本心を封じられたココの「シェリー助けて!」という必死のメッセージだったのだ!