第 73 話 2004/09/12 ありがとう僕の王様 ミコルオ・マ・ゼガルガ

脚本
まさきひろ
演出
貝澤幸男
作画監督
浅沼昭弘
美術監督
清水哲弘

ナゾナゾ博士がついに動いた! 博士は緻密な計算から作戦を立て、パートナーのキッド、そしてフォルゴレ&キャンチョメ組に的確に指示を与えていく。「呪文なしでテレポーテーションができるのだ!!」そう偽り、キッドに変身したキャンチョメを使ってベルギムEOを翻弄する博士。そしてベルギムEOの魔法本を燃やすため、今度はキャンチョメを床に変身させこっそりと近づけさせた。しかしそこで誤算が生じてしまう。何と、椅子から立てないはずのベルギムEOが立ち上がってしまったのだ!!

綿密に立てた計画に狂いが生じたことで情勢は一変した。ベルギムEOの一撃を受け、博士が大ダメージを負ってしまったのだ。それでも負けられないと、身体にムチ打って戦い続ける博士。その中で彼は思い出していた…キッドとの出逢いを、その交流を。医者だったかつての彼は愛しい孫を救えなかった過去があり、以来無気力に生きてきた。しかしキッドが彼の元を訪れ、その孫ともオーバーラップするキッドの無邪気さに、ようやく「彼を王にする」という生き甲斐を見つけたのだった。だがどんなに戦う意思を思い出で鼓舞しようと、今の博士に立ち上がる力はない…

倒れたまま動かない博士を守ろうと、パートナーなしで必死に戦おうとするキッド。命の源とも言える魔術本が人知れず燃え始めており、その姿はまるで最後の命を燃やして反撃しているようだった。ずっと博士に頼りきりだった彼だが、まるで博士がそうしているかのように、キャンチョメに、フォルゴレに指示をしていく。そんな中でも心だけは博士と共にあった。倒れたままの博士の元で静かに語らうキッドの心。「僕は、王様になれたんだよね…」博士との交流で成長したキッドは、そうして最後の魔法を会得する。

すっかり圧倒されたベルギムEOを押し切るべく、キッドたちは最後の反撃に出た。残った心のエネルギーで総攻撃をかけようとするベルギムEO。一方、キッドの心は目前まで迫った別れの時を意識しつつ、最後にして最強の魔法「ミコルオ・マ・ゼガルガ」の発動を博士に頼んでいた。「今までありがとう、大好きな…大好きなナゾナゾ博士…」と、別れの言葉を遺して…。もはや魔本の全体が炎に包まれる中で博士は魔法を発動し、ベルギムEOを撃破する。だがその時にはすでにキッドの姿はなく、博士はただ涙するしかなかった…