第 24 話 2003/09/21 自由の旅人アポロ

脚本
山田隆司
演出
角銅博之
作画監督
出口としお
美術監督
清水哲弘

新学期早々、ガッシュが壊した塀の修理のため、買い物に出かけた清麿。その帰り道、清麿の姿を見かけた鈴芽が、 赤信号の横断歩道を渡ってくる。迫り来る自動車。清麿が助けようと車道に飛び出した瞬間、呪文の声が響いた。 「リグロン!」何本もの鍵爪のついたロープが自動車を持ち上げ、鈴芽を救った。可愛らしい魔物の子が、掌からロ ープを出していた。傍らには、空色の魔本を手にした金髪の青年。清麿は青年を追いかけようとするが、旅人風のその青年は、魔物の子と共に立ち去っていった。

清麿が歩いていると、さっきの青年が公園で子供たちに囲まれ、様々な楽器を奏でていた。初めてのハーモニカも何なくこなす青年は、何か不思議な能力を持っているらしい。彼の名はアポロ。魔物の子・ロップスを連れて、世界中を自由に歩く旅人。魔本の威力や魔界の王を決める戦い に心をとらわれないアポロに、清麿は底知れぬ力を感じる。ガッシュを優しい王様にしたいと清麿が話すと、アポロの眼が輝いた。自分には無いものを清麿に感じたというのだ。そして、アポロは言った。「清麿、僕と戦わないか?」

戦う理由に納得のいかないまま、清麿はガッシュを探す。壊した塀の修理に失敗し、自信をなくしたガッシュは、泣きながら清麿の前から走り去る。公園で涙にくれるガッシュの前に現れたのは、〝コルルのお姉ちゃん〟しおりだった。「優しい王様になってね」と約束し、消えていった魔物の子・コルル……。最後まで勝ち残り、みんなが二度とつらい戦いをしなくて済むように、優しい王様になる。誓いを新たにしたガッシュは、清麿と共に戦いの場へと向か う。

決戦の場は町外れの採石場。戦いを避けようとする清麿だが、ロップスは力のロープを駆使し、次々と岩を投げつけてくる。アポロは楽しそうに言う。「君の大きさ、強さを見せてくれ!!」と。清麿はやむなくザケルで応戦し、巨岩を砕き、アポロの頭上に破片を雨あられと降らせる。だが、アポロは不思議な能力で、降り注ぐ岩石を全てかわしてしまった。アポロの投げた岩のかけらが、愕然とする清麿の手から赤い魔本を撃ち落とす。慌てた清麿とガッシュが手を伸ばすよりも早く、ロップスが赤い魔本に掌をかざしていた。