第 145 話 2006/02/19 届かない叫び テッドVSチェリッシュ 王より大切なもの

脚本
大和屋暁
演出
今沢哲男
作画監督
出口としお
美術監督
渡辺住人

ファウード日本上陸まで、あと3時間。テッド&ジード、そしてウォンレイを失いながらも戦列に復帰したリィエンを加え、清麿&ガッシュ、恵&ティオ、アリシエ&リーヤは、脳のコントロールルームへと急いでいた。そんな彼らの前に現れたのは、テッドがずっと探していた少女チェリッシュ…。彼女とは魔界でかけがえのない友だちだったと言うテッドは、チェリッシュを探して、ずっと世界中を旅していた。どんなに小さな情報でも、例え情報がなくても、バイク一台、パートナーのジードと共に…。それなのに彼女は、敵としてテッドの前に立ちふさがる!!

「私たちは敵同士…そう言ったのはアナタよ、テッド!!」…再会を喜ぶテッドとは反対に、燃えるような憎しみの瞳を向けるチェリッシュ。彼女は言う。テッドこそ、自分が唯一憎む相手、自分たちの親切を裏切った許せない相手だと…。それは、王を決める戦いが始まる直前にまで話は遡る。その頃のテッドは、毎日ケンカに明け暮れ、荒んだ生活を送っていた。当時のチェリッシュとその家族は、ボロボロにされたテッドを我が家に迎え入れ、ケガを手当てしてくれたばかりか、満腹になるまでもてなしてくれたのである。

すっかり心を閉ざしていたテッドに優しくしてくれ、立ち直るきっかけを与えてくれた少女…チェリッシュ。だがテッドはそんな彼女に恨まれてしまった。謎の人物の襲撃でチェリッシュの両親が命を落とし、その場に駆けつけていたテッドが真犯人だと思われてしまったのである。そのせいか、リオウの呪いから解き放たれても尚、チェリッシュはテッドを倒すためにリオウの陣営に残り、こうして彼の前に立ちふさがったのだ!! だがそれは、リオウに利用されているにすぎない…。どうやらリオウはこの場所に何かを呼び寄せたらしく、そのため時間稼ぎに使われているようなのだ。

チェリッシュの攻撃に一歩も引かず、テッドは無抵抗のまま術を全身で受けようとした。そんな彼の決意が、ついに彼女の心を動かす!! ようやく心を開き、再会を喜び合うテッドとチェリッシュ。だがそこへ、リオウに操られたファウードの心臓が突如出現。チェリッシュの本を燃やし、彼女を魔界へと戻してしまった! ずっと探してくれたこと、信じてくれたことに感謝し、消え行くチェリッシュ…。怒りに火をつけたテッドは、これまでにないパワーを発揮して新呪文を発動すると、ファウードの心臓を一撃で粉砕する。