第 134 話 2005/11/27 誰がために戦う ウォンレイとアリシエ 苦悩の決断

脚本
千葉克彦
演出
角銅博之
作画監督
信実節子
美術監督
渡辺佳人

ファウードの体内に侵入した清麿たちは、早くも窮地に立たされていた!! 敵は強敵ザルチムと、呪いのせいで従わざるを得ないウォンレイ。方やこちらの戦力は、心の力がまともに貯まっていない清麿&ガッシュ、呪いのせいで立っているのも困難なアリシエ&リーヤ、そしてサンビーム&ウマゴン、エル&モモンのみ。惠たちは捕らわれてしまい、助けを待っている身だった。だが、こんな状況でも決して弱音を吐かないのがアリシエである。彼は自分の命が削られている現状でも、清麿とガッシュにすべてを賭けようとしていた!!

アリシエたちだけに負担はかけない!! …攻撃を繰り出すサンビーム&ウマゴンだが、相手がウォンレイではまともな攻撃ができなかった…。脳裏をよぎるのは、ウォンレイと過ごした楽しい日々…。今は敵だと思い込もうとしても、どこかでためらいが生じる!! その一方で、ウォンレイもまたガッシュたちを攻撃することに苦痛を感じていた。何故なら、彼もまた清麿たちと苦楽を共にしてきたから…。アリシエのように、リオウに立ち向かいたい…。こんな戦いはしたくない…。そう思っても、やはりリィエンを一刻も早く回復させたいという気持ちが先に立つ。

もはやアリシエは限界ギリギリだった…。いや…限界など、とっくに過ぎていたかも知れない。それでも彼は、世界を救う唯一の希望である清麿やガッシュたちを、ザルチムの攻撃から守るために頑張った。それは、復活したファウードが破壊するだろうこの世界には、自分の命より大切な兄弟、村の仲間がいるから…。彼らを守らなければならないからだ!! もともとアリシエは、砂漠の真ん中で暮らす身。過酷な環境で暮らしているからこそ、甘えは一切許されないし、どんな辛い状況でも踏ん張ることができる。そんな彼だから、ザルチムの攻撃に耐えることができる…!!

だが、もう持ちこたえられそうにない…!! 既に視力はゼロ、暗闇しか見えていない。体力も限界を超えた限界に達している。切羽詰ったアリシエは、清麿たちに脱出路を教え、そこに逃げ込むよう指示した。自分は、ここでザルチムたちを足止めするから…と。そんな彼の、死すら覚悟した気持ちに応えようと、清麿たちは血管通路に飛び込み、全力で駆け出した。心に響くのは、世界を託すというアリシエの必死な想い。そして脳裏をよぎる、あの言葉…。「キミ達はやっと見つけた最後の希望だ!! リオウにも、リオウ側の魔物にも…決して渡しはしない!!」