Visiting Production 会社訪問
  • 記事を共有する

【第37回/2016年11月号】株式会社オプティカルフォース

「オプティカルフォース」という社名の由来

網倉理奈(以降網倉):本日は「オプティカルフォース」の須藤定夢社長にお話を伺いします。宜しくお願いいたします!

須藤定夢(以降須藤):宜しくお願いいたします。

岡村美里(以降岡村):まず、社名の由来をお伺いしても宜しいでしょうか?

須藤:40代以上の方でしたら分かると思いますが、昔、フィルム同士の合成のことを「オプティカル」と呼んでいました。「合成」とか「光合成」という意味があります。それで「Force」は「力」という意味ですよね。弊社の出資者には、私だけではなくて、WEB関係、スマホ関係、など色々な方がいますが、その力が「合成」、つまり一緒になって力を出せればと考え、「色んなスタッフが集まって、力を出せれば良いね」といった意味合いでつけました。

網倉:おしゃれですね!

岡村:皆で頑張ろう!という感じが出ていて素敵です。

須藤:社名は登記する時に私が決めたのですが、ギリギリのタイミングまでどうしようかな、と思っていました。かっこいいネーミングが良いなとか、一言よりは2ワードぐらいが良いなとか、連想しながら一生懸命考えました。それで結果、皆の力を強く感じたというところがあって、この名前に決めましたね。

岡村:それでは、「オプティカルフォース」さんの会社概要を教えてください。

須藤:起業したのは、2014年ですのでちょうど2年前程になりますが、実はこの事務所を開いたのは、昨年2015年の9月1日です。ですから、やっと軌道にのってきたかな、という感じです。

網倉:この事務所を設けられる前は、フリーランスという形態だったのですか?

須藤:そのような感じでやっていましたね。ただ、専門学校HAL東京で先生をしていたり、現在も担当している東京国際大学の国際関係学部で非常勤講師もやっていました。その間もプロジェクトは動かしていました。それで、スタッフが集まってくれた昨年9月のタイミングで、この事務所を借りて本格的にスタートしました。その時集まってくれたのは、Mayaとモーションビルダーの両方を使えるアニメーターの2人でした。

岡村:そうだったんですね!

須藤:そうなんです。このオフィスはPCと机と椅子が4脚とかで、スカスカでしたね(笑)

岡村:ちなみに今はオフィスに何名いらっしゃいますか?

須藤:取締役を抜いたスタッフのみで10人になりました。

網倉:2人から、1年で10人は凄いですね。

須藤:少数精鋭ですが、Motion Builder、maya、MAXなど色々な3DCGのソフトウェアに対応しています。アニメーション、コンポジットに特化していまして、クライアントさんのニーズに合わせて何でもやれるようにしています。

起業のキッカケ ―湧き上がる現場への思い

網倉:大学の先生や専門学校の講師をやられていた後に会社を起業した理由は何でしょうか?

須藤:大学の先生をやっていると、若い子たちからのパワー、エネルギーを貰うことが本当にあるんですね。それで、専門学校から声を掛けて頂いた時に、「自分の教えた子や、スタッフたちと今後もっとプロの現場で働きたい」と思いスタートしました。その専門学校自体も、開校前の設立準備室からいましたので、一期生からお付き合いがあります。もう15年ほどやっている大学の方も、当時「新しいメディア系の学科を作る」ということでしたので、それからやり続けています。大学は、CGとか、映像をバリバリ教えるような環境ではないのですけれど、都内のスタジオなどでプロマネ(プロダクションマネージャー)などとして働いている教え子も結構いますね。

岡村:須藤さんはCG制作を現場で実際にやられていた時に「先生」という職業に就かれたかと思いますが、なぜ、引き受けようと思われたのでしょう?

須藤:ずっと現場でやっていて、また違う刺激も欲しくなっていたんですよ。10年ほど前に始めたころは、先生ぐらい週に一日くらいだった良いかな?という、そんな軽い気持ちでしたね。

岡村網倉:(笑)

須藤:それで大学からお声掛けて頂いたときに、教員免許持っていませんよ?って普通にお伝えしたんですよ。そしたら、大学の先生は教員免許ではなく大学の求めるニッチな研究をやっている人であれば問題ないということでした。じゃあ、と履歴書を出しました。そのように続けていると、他の大学からも声を掛けていただくようになりました。2年程前までは、浜松市の静岡文化芸術大学へ新幹線に乗って日帰りで通って講義をしていました。

岡村:専門学校に1日、大学に1日、また別で静岡にも1日・・・週7日しかないのに3日間も・・・

須藤:もっとやっていましたよ。

網倉:最大週に何日ぐらい先生として活動されていたのですか?

須藤:週に5、6日間くらい先生をやっていた時期がありましたが、そうするとどうしても現場から離れてしまいますよね。そこで現場の皆と飲んだり、話したりすると、あ、自分の知識が遅れているなあ、と思う瞬間も多々ありました。その中で、「やっぱり現場にしっかり戻ってちゃんとやりたいな」という気持ちも沸々と上がって来ましてね(笑)。まあ大学の方は辞めずに出来ていますが、このような気持ちもあり昨年起業しました。

「先生」と「経営」はマルチタスクの一環です

網倉:先生と会社経営の両立は、大変なことのように思いますが、どうでしょうか?

須藤:多分、皆さんが思っているほど大変じゃないですよ。しばらく丸一日の休みがないとかそういうのはありますけど、頭の切り替えに困ることもないです。プロデューサーをやっている方なら分かると思いますが、常に数プロジェクト並行して動くのが普通の状態ですので、そのひとつとして、講義の仕事も捉えています。また、会社について言うと、弊社は持ち株会社で、他の役員も経営に関して動いてくれます。また会計士さん、税理士さんは委託してやって頂いていますので、私がやることは基本的にはこの会社の為に仕事を取って来ることであり、経営についての新しいアイディアを出していくことです。会社を作ろうと思った理由も「一人でやろう」ではなく、やっぱり今のスタッフが一緒にやろうよと言ってくれたりした中で、一念発起して「やろう!」となった部分があります。それでやり始めたら昔の仕事関係の先輩後輩だったり、大学、専門学校で知り合った方々が仕事をくださったりするので、本当に有難いと思います。このご縁が続いていくと良いなと考えています。

岡村:まさにオプティカルなフォースですね。

一番大事なのはスタッフ達の働きやすさ

岡村:現在のアーティストさんの採用などは、どのようにされているのでしょうか?

須藤:最初、去年の9月に2人採用して、そのあと1ヵ月後位に更に2人採用しましたが、その4人は専門学校時代の教え子です。

網倉:教え子さんなんですね!

須藤:そうですね、卒業してから彼らは現場に行ってプロでやっていたんですけれど、その間にもよく飲みに行ったりとか、情報交換はしていたんですね。今の業界のトレンドなどについて話をしていたりしてました。それでいざ作るよ、となった時に声を掛けてみたら参加してくれました。

網倉:先生としては、それは一番嬉しいですよね。

須藤:はい、だから仕事いっぱい取って来て、稼いであげなきゃな、とやっぱり思いますよ。また、その後そのスタッフ達が新たに声掛けてくれたりして、それをやっていたら1年で10人くらいになりましたね。

網倉:どういう方にビビッと来ますか?

須藤:スキルも当然なのですけれど、話していて話しやすい子、というのはありますね。仕事として腕がいいのは当然で、それよりまずは絶対に話しやすい子ですね。ただ現在の採用は、スタッフ達が働きやすい環境を作ることが一番大事なので100%スタッフに任せています。

これからCG業界を目指す方へのアドバイスは

網倉:これからCG業界に入りたい方へのアドバイスをお願いできますか?

須藤:私の個人的な言い分ですけど、「諦めるな」という感じですね。諦めの悪いやつが好きです(笑)。行き詰まった時などに、いきなり俺才能ないからと諦めない方が良いです。継続することで腕は上がりますから。あとは、映画好きなら映画をいっぱい観ておけば、と思います。やっぱり映画が一番の教科書です。授業料1,800円で観られるならあんなに良いものないと思います。

岡村:注目すべきポイント、ありますか?

須藤:まず、何より楽しんでください。申し訳ないですけど・・・下手なものには、絶対違和感を覚えますから、いっぱい観ていると「ん??」と思いますよ。違和感に気づくようになるんですよ。「なんかここおかしくないか?」と。

網倉:自分で作っている時も、そういうセンサーが働くようになるんですね。

須藤:見つけようと思っても見つからないので、まずは楽しんで、沢山観て、自然に気づくようになると思います。ただ何回も観ないと、備わらないですね。仕事としても同じで、色んな作品をやって上手くなると、目も肥えてくる、腕も上がる。とにかく諦めないで続けることが大事です。

岡村:まずは自分の好きなジャンルの作品を沢山観て、自分の中にライブラリを構築していって、実際に作っていく時に、「あの作品のあのシーンみたいにやりたい!」と引き出しを開けられるくらい、楽しみながら見尽くすことが出来れば勉強になりますよね。

須藤:そうですね。昔、今よりもMVが多く作られていた時代の話ですが、監督さんが「あの映画のあのシーンみたいにしたい!」とか、言うんですよ。観てないと分からないですから。わからないものはそっとビデオを借りて観てみたり・・・「○○という映画の、最後ぶぁああああ!って来てるシーンですよね」という会話で凄く盛り上がって、あんな感じで作った方が良いね、とか。まあ大体CG作ったり映画作っている人は基本映画が好きですから。

岡村:まずは映画、映像を観て自分のライブラリを増やすことが、学校に入るというよりは勉強する上で一番大事ということなのでしょうか?

須藤:そうですね、ただ、3DCGのオペレーションは、難しいかなと。私もネットの発達していない時代に3DCGのソフトウェアを触ったりしていたのですが、例えば本を買って読んだとして、何とかのメニューの何とかを触って・・・など、そもそもそのメニューはどこにあるんだよ!?という、その文字がどこにあるか分からない状態から始まる。それを調べている位だったら、安い金額ではないですが、学校に1年か2年行くと、隣の人や先生が5秒で教えてくれるわけですよね。オペレーションを覚えるなら、色々な面で絶対に学校に行ったほうが良いです。学校で友人ができて、その後はプロとして一緒に働けるようになりますので、そしてプロになりたいのであるならば。

ひとつひとつをキチンとやることが信用に繋がる

網倉:映像制作する上でのモットーみたいなもの教えていただけますでしょうか?

須藤:「頂いた仕事をちゃんとやる」というのがモットーといえばモットーかなあ。業界歴30年ですが、信用はあったのかな、と自信を持って言える。信用は1ヵ月や1年で買えないですし、60、70歳になっても先生も、制作も続けて行きたいですし。ただ日進月歩の業界ですから、いつも勉強しなければならない。その時間を捻出しなければならないですね。授業の準備をしながら本を読んだり、資料を作る際に、情報のアップデートを行ったり。

岡村:別々というよりは、現場のお仕事、先生の仕事がすごくリンクしているんですね。

網倉:すばらしい相乗効果ですよね。

須藤:個人的にはそう思っています。そして、頂いたものをちゃんとやることが信用に繋がっていくと思っています。

網倉:こういった理念とかモットーとか、生徒さんにお話したりはしないのですか?

須藤:あんまり言わないですね・・・あまりまだピンと来ないかもしれないので(笑)。今は有難いことに、学生さんに自己紹介をしないんですよ、昔は自分の作品を持って「こういうことをやっていました」という紹介をしていましたが、ここ3年くらいはもうないです。ググってもらってYouTube見てください、で終わっちゃうんですよ。自分で言っていても、ああ時代が変わったんだな、と実感します。一度学生から「お母さんが須藤先生の名前知っています」と言われたことがあって、「何それ!?」と思ったら、お母さんがGLAYのファンで、CGで自分の名前が載っていたから知ってた、とか。ビックリしました。君じゃなくてお母さんなんだ、と。

網倉岡村:(笑)

須藤:まあこれからも、学校の先生も、CG制作も、やれるうちはドンドンやっていきたいと思います。

岡村:オプティカルフォースさんに入りたい学生さんへのメッセージをお願いします!

須藤:この世界で食っていく、という気持ちがあるならば諦めるな、腹くくって来いということですかね。一生の仕事にちゃんとしてくださいよ、と。それと技術職は甘くないですよ(笑)

網倉:これからまずめちゃめちゃ映画を観て、情報をアップデートすると、グー!ですね。

岡村:今日はありがとうございました。今後の益々のご活躍を期待しています。

株式会社オプティカルフォース
株式会社オプティカルフォース
〒169-0072
東京都新宿区大久保2-7-1 大久保フジビル702
TEL:03-6278-9245 FAX : 03-6278-9245
http://www.opticalforce.co.jp/
履歴
■設立
2014年10月20日

■事業内容
◆CG/VFX/映像制作事業
映画、遊技機映像、ゲームムービーなどの3DCG/VFX映像企画制作とそれに関わる業務全般
◆レンダリングファーム事業
クラウドを使った4K8K映像などの高解像度映像レンダリングサービスを提供
◆アプリ開発事業
iPhone、iPad、Androidアプリの設計・開発


■企業理念
CG・VFX制作やスマートフォンアプリ制作を主な経営主題とし、今後必ず訪れる4Kや8K映像以上の高解像度コンテンツ制作に関する研究と受注、デジタルシネマ制作における先進的な技術とワークフローをワンストップで制作可能なソリューションを開拓していくことを目標としています。経営陣には「WEB開発分野」、「アプリ開発分野」 、「CG・映像制作分野」と三つの分野の各スペシャリスト達が在籍し、その才能と経験をデジタルコンテンツの配信やスマートフォンアプリの開発を連動して担うことにより、新時代のコンテンツ制作に挑戦します


■須藤定夢プロフィール

◆制作実績
大映映画 金子修介監督「ガメラ3」CGプロデューサー
スタンレー電気(株)東京モーターショー‘97用フルCG映像制作
GLAY ドームツアー‘99用CG部分プロデユーサー、ディレクターGLAY ビデオシングル「サバイバル」CG部分プロデユーサー _GLAY Live in 幕張20万人ライブ
GLAY アリーナツアー2000 CG部分プロデユーサー。
GLAY EXPO2001 “GLOBAL COMMUNICATION” Live in HOKKAIDO。
オープニング&エンディングCG部分プロデューサー
シリコンスタジオ株式会社_松竹映画「下弦の月」
東映映画「同じ月をみている」
松竹映画「陽気なギャングが地球をまわす」

◆講師
東京国際大学主催 デジタルシネマスクールM2にて、日本で最初のカナダ_discreet logic社製 “flint”と “AVID”の 主任講師
東京国際大学 国際関係学部 非常勤講師
専門学校HAL東京教官就任(2015年3月退任)
産業技術大学院大学 認定登録講師

◆委員
公益財団法人 画像情報教育振興協会(CGアーツ協会)

◆著書
「デジタルシネマ」数人での共著。3月 米田出版より発売
「デジタルアーカイブの構築と技法」数人での共著。晃洋書房より発売
INTERVIEWEE
須藤定夢(オプティカルフォース 代表取締役社長)
INTERVIEWER
岡村美里(ワオ・エージェンシー)
網倉里奈(俳優)
EDIT&PHOTO
Enhanced-Endorphin
その他の"Visiting Production"の記事はこちら
page top